米国、最新の世論調査で同性愛者への受容度高まる

 『ロサンゼルス・タイムス』紙は、4月10日、新しい全国的な世論調査の結果を発表した。それによると、ゲイ/レズビアンが、一段と社会に受け入れられるようになって来たことが示されている。調査は、全米で1616人の成人に対して、3月27日から30日の間に電話で実施された。

 まず、アメリカ人10人中7人が、同性愛者の知り合いがおり、小学生の子どもが同性愛者の教師に受け持たれてもかまわないと答えている。

 10人中6人が、同性愛者のコミュニティに好意的である。

 ただ、こと結婚に関しては、大多数が反対のままである。しかし、59%は、同性カップルの法的認知が不可欠だと思っている。

 この20年足らずの間に、アメリカ人のゲイ/レズビアンに対する態度は、着実に好転してきた。最初の『ロサンゼルス・タイムス』紙の同性愛者に関する世論調査は、1985年に行われているが、同性愛者の知り合いがいる人は46%しかいなかったし、同性婚などという考えは思いもよらないもので、調査の対象にもならなかった。

 それが今は、同性カップルを認める人は62%と、同性間のパートナーシップはかなり受容されてきている。しかし、同性カップルをどういう方法で認めるかについては、意見が分かれている。24%は、ゲイ/レズビアンの結婚が許されるべきだと考えている。38%は、シビル・ユニオンを作るのは認めるが、結婚は許さない(ここまでを足して62%)。34%は、どちらも認めない。

 同性婚を認めるのは、若い世代の方に多い。18歳から29歳までの層は、同性婚を44%支持しているのに対し、65歳以上の層は10%しか支持していない。

 ワシントンにある都市学会の人口統計学者ゲイリー・ゲイツ氏は、この調査に対して、「ゲイであることが汚名になる事態は消えつつあります。これは、かなり大きな変化であり、社会の中で、同性愛者は、居心地がよりよくなっていて、社会の側も、同性愛者と共に生きることを、心地よく思うようになりつつあるのです。同性愛者は、もはや抽象的で非現実的な概念ではなくなっています。私の友人であり、私の隣人であり、私の兄弟であり、私のオフィス仲間なのです」と述べた。

 とは言え、自分の子どもがゲイ/レズビアンだったら動転すると答えている人はまだ60%いる。それでもこの数字も、1983年の90%、2000年6月の73%に比べれば、調査ごとに下がりつつある。

 その他に、同性愛者に対する受容が進んでいることをうかがわせる結果は、以下の通りである。

61%が、同性愛者は子どものよいロール・モデル(模範となる人)になりうると答えている。
72%が、同性愛者を仕事上の差別から護る法律を支持し、74%が、同性愛者を住宅差別から護る法律を支持している。
62%が、同性愛者にも女性や少数派同様の市民権を保障すべきだと考えている。
70%が、軍隊は同性愛者を追い出すべきではないとしている。
62%が、自分たちのコミュニティに同性愛者を受け入れると答えている。
65%が、同性愛者と生活を共にできると答えている。

 「人権キャンペーン」代表のシェリル・ジャック氏は、「つまるところ、知らない人を憎んだり差別したりすることより、知っている人を憎んだり差別したりすることの方がはるかに難しい、ということです。そして、この世論調査でわかるように、家族の中に、コミュニティの中に、職場の中に、同性愛者の知り合いがいる人々がますます増えつつあります。このことは、ゲイ/レズビアンが全く当たり前の存在であり、その多くが一般の家族同様子育てをしている、という事実を人々が理解するのに、大いに役立っています。家庭での日常生活は、全く同じに過ぎていくのです」と語っている。


訳&記事の解説:伊藤

 

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