イギリスで同性カップルの養子縁組が認められる

by 石田

 イギリスで12月21日、「シビルパートナーシップ法」が施行され、同性愛者カップルたちが公で式典を挙げ始めてから数日が経過したが、同国政府は今回新たに同性カップルが養子縁組をできる権利を付与した。これは英国養子縁組法が成立して以来30年間における最大の見直し政策の一環としてである。

 この新法は12月30日、最初に国会を通過してから3年目にして施行された。

 この法の施行以前のイングランドやウェールズ地方では、同性カップルは、パートナーのどちらか一人が養子と縁組をするという選択肢しかなく、もう一方のパートナーにはほとんど親権は認められてこなかった。

 「英国養子縁組・養育協会(the British Association for Adoption and Fostering)」最高責任者、フェリシティー・コリヤー氏は、今回の改正で養子縁組法がようやく21世紀(に対応できるよう)になったと語る。

 同氏は、ロンドンのデイリー・メール紙に対し「未婚のカップルたちへ養子縁組の道を拓いたことは、より多くの人に養子を迎えることを考える後押しをするだろう。あまりに多くの子供たちがあまりに長い間養親を待ち続け、場合によっては養子縁組の機会がまったく巡ってこない子どももいる今この時、これはとても重大(な変化)」と述べた。

 また、BBCニュースの取材で、同氏は「どの子どもも、自分の面倒をみてくれた二人のどちらとも等しく恒久的な法的関係を結ぶ権利がある」と主張した。

 結婚した夫婦がもつ権利と同様の多くの権利を認めたシビル・パートナーシップ法が成立し、イギリスの同性カップルたちがその権利を活用し始めるにつれ、このような変化は沸き起こってきた。

 北アイルランド出身のグレイン・クローズさんと米国人パートナーのシャノン・シッケルズさんは12月19日、イギリスで最初に誓いを交し合った同性カップルとなった。

 イギリスのトニー・ブレア首相は、この新しい法がゲイやレズビアンの人々に対する「明白な不公平さを正した」と述べた。

 「概して、過去の敵意や疑念は、寛容さや理解により置き換えられてきた。しかし、そのような変化に我々の法や政治風土はどうしても対応してこられなかった」と12月21日付けのインディペンデント紙の記事の中でブレア首相は書いている。

 「もちろん現状に満足しているような余地はない」とブレア首相は警鐘を鳴らす。「不正や差別、不公平といったことがまだ本当に多く残っている。だが同時に、国中で今週みられた式典から分かるように、我々は社会として、そして国として、正しい方向へ進み続けているようである」。

 

翻訳&記事の解説:石田 京介
(石田 京介:カナダ在住/翻訳スタッフ)

 

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