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【旧サイト】すこたんソーシャルサービス HOME

同性愛の基礎知識

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すこたんソーシャルサービスについて
 
すこたんソーシャルサービスは、同性愛に関する正確な知識や情報、そして同性愛者のおかれている現実を、当事者および社会に伝え、今までの「常識」にしばられない、新しいライフスタイルを創る事業をしている団体です。当たり前とされている恋愛観・家族観・教育観などを問い直していくことで、同性愛者のみならず、この息苦しい社会に、「夢」と「希望」のある新たな生き方の選択肢を増やしていくことができると考えています。(1994年9月1日設立 旧名:すこたん企画)
 

 
 すこたんソーシャルサービスの活動
 

1.同性愛に関する情報の発信
同性愛(者)に関する正確な情報を提供しているメディアは、まだまだ少ないのが現状です。私たちは、インターネットや紙媒体、そして書籍の出版などを通じて、できる限りの情報を集め、わかりやすく役に立つ形で発信しています。とりわけ「同性愛の基礎知識」と呼べるような基本的な知識を知ってもらいたいと考えています。また最近は、翻訳ボランティアスタッフを募集し、日本には質量共に不十分にしか入ってこない海外の同性愛に関連した情報提供にも力を入れています。さらに、そうした情報提供を通じて、新しいネットワークを創造していきたいと考えています。

2. ワークショップ・イベントの主催
私たちは、新しいライフスタイルや教育のあり方を多くの人と一緒に模索していくために、様々な企画を行っています。人間関係・恋愛関係を考える講座、同性愛を視野に入れた「性教育」を創造していくための実践講座……。今後とも、LGBT(レズビアン&ゲイ&バイセクシュアル&トランスジェンダー)当事者の団体や「ジェンダー」「性」「教育」に取り組んでいる団体とも協力しながら、多様なイベントを企画していく予定です。

3. ソーシャルサービス
私たちは、 当事者が自分自身のあり方を肯定的に受け入れ、同性愛者として自分を信頼し「自分らしく」生きる道をみつける手助けになるような活動にも力を入れています。ゲイ・ライフやパートナーシップを一緒に考えるワークショップ、そして、電話・対面による相談・カウンセリングなどがその内容になります。さらに、新しいソーシャルサービスの展開をしていく予定です。

4.講演・出前授業
新しいライフスタイルを求める人たちに、「同性愛」を軸にしながら、「人権」「性教育」「男性・女性問題」「人間関係のあり方」など、様々なテーマ・角度から話をしています。中学生・高校生・大学生にとっても、多様な生き方があることを知り、視野を広げたり、「人権」の大切さを実感できる「出前授業」をこなしています。

5. ボランティアスタッフ
すこたんソーシャルサービスはたくさんのボランティアスタッフによって支えられています。

 

 
スタッフ
 

[代表・カウンセリング]さとる
[総務]ピヨ彦・だい
[We-all Chatter]たけし/つぐ
[One-theme Talk]ゆうた/わっち/だい
[ユースタ]ピヨ彦/あきら/だい
ミドルエイジ・シャッフル]わっち/たくと/もと
[みんなで悩んで大きくなろう!]あきら
[いろいろワークショップ](中味により交替で)
平日ゆるトーク]ピヨ彦
人生設計づくりネットワーク]ケータ
[ウェブその他]やなせ/おおさき

 

 

すこたんソーシャルサービスのポリシー

 

 この日本には、たくさんの同性愛者が、「ホモ」「レズ」「オカマ」など、心無い言葉によって嫌がらせ・いじめ・からかいをうけている現実があります。「すこたんソーシャルサービス」には、メール・手紙・電話などを通じて、そういう人たちからの相談が絶えません。私たちは、そんな時「投げつけられる言葉など気にしないで、開き直って強くなりなさい」とは言いません。傷ついた自分の感情を「否認」しても、最後は自分自身に戻ってくるからです。
  また、勇気を振り絞ってメールや手紙を書いてくれた当事者が、それによって「つらい」「傷ついた」という声を出せなくなってしまったら、とても怖いことです。まずは、そうした人たちの話に耳を傾け、共感し、その声をどう伝えていったらいいか、いっしょに考えていきたいのです。
  それは、かつて声を上げられなかった自分自身の声に耳を傾けてあげるのと、本質的には同じ行為です。内なる自分に共感できなければ、他者に共感することはできないでしょう。自分に認めてもらえないもう一人の「自分」が、だだをこねてしまうからです。「開き直って強くなりなさい」「日本には差別なんてないでしょ」「大したことないんじゃない」・・・感じないフリ、傷ついてないフリ、強いフリ、・・・こうした感情の否認を続け「自分いじめ」に「さようなら」ができないと、他者にも「自分いじめ」を強いてしまいます。私たちは、この日本で、旧い世代から若い世代へと、綿々と受け継がれてきた「自分いじめ」の連鎖を、終わりにしようと考えています。

  こう書くと、「自分の人生の責任を世の中のせいにするのはよくない」というおなじみの、当事者に「自己責任」を全てなすりつけて一件落着! という声が、どこからか聞こえてきそうです。しかし、「自分らしい」生き方を求め自分で生き方を切り拓いていくことと、社会の側の責任を問うことは、相反することではありません。ゼロ100思考で、どちらか一方を選択するのではなく、両方を同時進行で進めることが必要です。補足をすれば、当事者の年齢が下がるほど(精神的にも、性的にも、経済的にもまだ自立できないが故に)、社会の責任の度合いはより大きくなると考えています。
 また、自分の人生を自分で切り開くというのは、自分が一方的に「がまん」したり、一方的に「折れ続ける」ことではありません。自分を取り巻く周囲の世界に働きかけ、他者との間に「折り合い」をつけながら生きていくこと、と言ってもいいでしょう。

 私たちの日常生活を改めて振り返ってみれば、同性愛に対する「差別」や「偏見」は決してなくなっておりません。欧米で同性同士のパートナーシップ制度が確立されつつある中にあって、この日本では、私たち同性愛者は、法的には、何の権利も保証されていないのが現状です。
  私たちは、あくまで、私たちを苦しめている抑圧をどうしたら軽減できるか、という「すこたんソーシャルサービス」の原点を確認し続け、それに資する活動(講演・執筆・インターネットなどを通じて異性愛中心の社会にはたらきかけることや、レズビアン/ゲイライフを豊かにするものなど多岐にわたっています)を続けて行く所存です。
 どうか、そうした私たちの姿勢をご理解いただき、ご支援いただければこれ以上の喜びはありません。

 

2004年5月1日 すこたんソーシャルサービス(旧名すこたん企画)簗瀬竜太

 

 

“LGBT”という言葉について

 

 「セクシュアル・マイノリティ」は、アメリカの学者たちが使い始めた言葉で、ヨーロッパ・アメリカ社会では、日常的・一般的に使われていません。アメリカ・カナダ等に住む当事者の方からの情報でもそれは裏付けられます。

 では、同性愛者や性同一性障害(広くトランスジェンダー)の人たちに対して、どんな言葉が使われるかというと、頻度の上では、“LGBT”または“GLBT”が圧倒的です。Lesbian, Gay, Bisexual, Transgender の頭文字をとったものです。女性同性愛・男性同性愛・バイセクシュアル・トランスジェンダーの人たちを頭文字で並列的に並べた言葉です。それぞれが、独自に人権・市民権を獲得する運動をしてきた長い歴史が有り、それぞれの経緯や立場を尊重しつつ、いっしょに運動していこうという思いを込め、敢えて、ひとつの単語にくくらずに、対等に並べたと言われています。

 「セクシュアル・マイノリティ」が使われない理由は他にもあります。まず学術用語であること。もともと、「同性愛」“homosexual”という言葉さえ、医学の治療対象として作られた言葉だったので、それを拒否して、“Gay”“Lesbian”という自称を用い始めた流れがありますから、欧米の当時者が違和感を感じるのも当然です。

 また、実は英語では、どんな文脈で使うときも、「セクシュアル・マイノリティーズ」“sexual minorities”と複数形で言って、決して「セクシュアル・マイノリティ」“sexual minority”と単数形では言いません。なぜなら、多様な性のあり方に対応して、性に関する「少数派」と言っても、さまざまな当事者を含むわけで、一枚岩ではないからです。この違いが、日本で誤解を呼ぶことになるのです。

 日本語で「セクシュアル・マイノリティ」という単語を聞いた時も、極めて同質の人間で構成されている、あるひとつのグループを連想してしまいがちです。「性」に関する「少数者」はひとつの集団をなしていて、場合によっては、どこか特定の地域だけに住んでいるというイメージを持つ人もいます。「ゲイ」とくくられても、その中には、多様な人がいるのに、「全てのゲイは○○である」とまとめてみんな同じであるかのように語られてしまうことがよくあることから連想してください。

 したがって、当初は、「セクシュアル・マイノリティ」=同性愛者、と誤解されていた期間もありますし、今は、社会で話題になった度合に呼応して、「セクシュアル・マイノリティ」=性同一性障害の人、と認識している人も少なくありません。性同一性障害の人が戸籍を獲得する道が法的に開けたことで、「セクシュアル・マイノリティの問題は解決した」と思っている人さえいます。もちろん、性同一性障害の人たちもまだまだたくさんの問題を抱えています。「解決」はまだ先です。

 同性愛者と性同一性障害の人たち(広くはトランスジェンダーの人たち)の抱える課題は、共通のものも少なくありませんが、個別に異なっている部分もあります。例えば、医療の力を借りて手術が必要な性同一性障害の人たちに対して、同性愛者は、同性愛を「治す」治療を拒否します(というか医学的にも治療の対象からはずされています)。ですから、社会に対して、偏見や不利益の解消、またさまざまな保障を求めていくときも、簡単に何でもいっしょに行動できるわけではなく、それぞれが活動する中で、いっしょにできることをじっくり検討しながら進めていくのが筋です。

 しかし、今日本国内では、個別の呼び名よりも、「セクシュアル・マイノリティ」の方が広く行き渡りつつあります。それが新たな誤解を呼んでいるのです。とりわけ、“LGBT”の人たちをよく知らない人にとっては、やはり「セクシュアル・マイノリティ」という名の「ひとくくり」の人たちがいるらしい、という連想が働いてしまいます。しかし、これは当事者にも同じ問題を投げかけます。

 私は、性同一性障害の虎井まさ衛さんに出会い、ゲイとしての自分のもつ課題や生き方と、虎井さんが持つ課題や生き方とは、必ずしも一致しないことがよくわかりました。お互いに語り合い、いっしょに本を出したり講演したりする中で、最初から「同じセクシュアル・マイノリティなのだから、仲良くいっしょにやりましょう」という風な「お題目」だけでは、簡単にことは進まないことも知りました。それでは「なれ合い」にしかなりません。お互いにわからないところをぶつけ、今どんな活動が必要かを知り、議論もして、そこから共通の課題を見つけつつ、信頼関係を築いていきました。“G”と“T”の間で、相互理解にはじっくり時間をかけなければいけないのです。それは、異性愛者と同性愛者が理解するのにかかる時間とそう変わらないかもしれません。そのくらいお互いに思いも状況も立場も「違って」いるのです。でも、そうした過程を経ていけば、共通の悩みもわかって、いっしょに闘える場面も見えて来ます。「セクシュアル・マイノリティ」とくくってしまうことで、当時者である私たち自身も、それぞれの違いを理解する努力を省略してわかったような気になってしまうことがあるのです。

 したがって、「すこたんソーシャルサービス」としては、今後「セクシュアル・マイノリティ」という言葉を使わずに表現していきたいと考えています。その方が、お互いの違いをきちんと認識するとになり、逆にしっかりとつながっていけると思うからです。

 そこで、基本的には、性的な属性のみを表す言葉を並べた“LGBT”もしくはインターセックスの“I”を入れて“LGBIT”を用い、どうしても使う必要がある時は、「セクシュアル・マイノリティーズ」と複数形にして使っていきたいと思います。

 

2004年5月1日 すこたんソーシャルサービス(旧名すこたん企画)伊藤悟

 

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