各紙朝刊・4月10日付

来春から使われる高校・家庭科教科書に
同性カップルが登場

 
 

★4月9日、文部科学省は、来春2003年度から使う高校教科書の検定結果を発表しました。新しい学習指導要領(文部科学省が、小・中・高の授業内容を指示するもの)に基づくものです。その中で、家庭科の教科書に同性カップルが登場したことが報じられました。以下は、各紙のその部分を抜き出したものです。なぜか、朝日新聞(東京版)では、全くふれられていませんでした。

【毎日新聞】家庭科 同性愛、初めて認知〜一転し合格
 96年度の前回検定で4点が不合格となった家庭科は、「個人」や「自立」に比重を置く家族観を描いた不合格本の内容が一転、ほぼ認められた。新指導要領が個人重視のライフスタイルを認める方針を打ち出したためで、「同性愛カップル」も新たな家族形態の一つとして認められた。教科書会社は「社会の多様性に学習指導要領もやっと追いついてきた」と話している。

 ある教科書会社は「現代の家族の特徴」の項目で、家族を「ライフスタイルの一つ」と表現し、婚姻届を出さない事実婚や、高齢者が気の合う仲間同士で生活する例などを挙げて「(家族形態は)個人が選択するもの」(編集者)と位置づけた。また、別の会社は「同性愛のカップルを家族と考える人も増えてきた」と記述し、家族の概念に初めて「同性愛」を取り入れた。

 どちらも前回の検定では「個」を強調する視点を打ち出して不合格となっており、編集担当者の一人は「前回は『本来の家族を取り上げていない』と指摘されたのに、今回は内容の指摘はほとんどなかった」と話す。

【読売新聞】「今」を反映、内容に新味〜「同性カップル」
 家庭科の教科書には、家族形態の一つとして同性のカップルが初めて登場したのをはじめ、「事実婚」、シングルマザーの家庭など多様な家族観が取り上げられた。ある社の編集者は、「前回は伝統的な家族像をはみ出す記述に厳しい意見が付いたが、今回は『個人』を軸に幅広い生き方が認められた」と話す。

【産経新聞】家族観
 家庭科は各社とも家族の多様化を記述。「今や同性愛のカップルでも家族といえない理由はない」(教育図書・家庭基礎、家庭総合)との表現も登場した。
※ただし、この記事は、「教科書検定 不適切な表現次々通過」という見出しの否定的な文脈の中で取り上げられています。

 

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