(1)欧州人権裁判所でトランスセクシュアルが勝訴
欧州人権裁判所(ECHR)の大法廷で、出生証明書の性別変更を英国に求めたトランスセクシュアル側が勝訴し、判決は確定した。裁判官17人の全員一致だった。出生証明書の性別変更を認めなかった英国の行為には、欧州人権条約8条・12条の違反があると認められた。欧州人権裁判所史上でもきわめて画期的な判例だが、今後英国が迅速に対応するかに関しては、まだ予断を許さない。英国は、ヨーロッパの中で公的書類の性別変更を認めていない4か国のひとつ。
▼BBCの記事
Transsexual wins landmark ruling (BBC 2002/07/11)
http://news.bbc.co.uk/hi/english/uk/newsid_2122000/2122094.stm
▼判決関連資料
http://www.echr.coe.int/Eng/Press/2002/july/GoodwinjudGrand%20Chamber.htm
http://www.echr.coe.int/Eng/Press/2002/july/I.vUKjudGrandChamberepress.htm
★欧州人権条約
第8条(私生活及び家族生活が尊重される権利)
1 すべての者は、その私生活、家族生活、住居及び通信の尊重を受ける権利を有する。
2 この権利の行使に対しては、法律に基づき、かつ、国の安全、公共の安全もしくは国の経済的福利のため、無秩序もしくは犯罪の防止のため、健康もしくは道徳の保護のため、または他の者の権利及び自由の保護のため民主的社会において必要なもの以外のいかなる公の機関による干渉もあってはならない。
第12条(婚姻の権利)
婚姻をすることができる年齢の男女は、権利の行使を規制する国内法に従って、婚姻しかつ家族を作る権利を有する。。
(2)カナダのオンタリオ州で裁判所が同性どうしの婚姻届を受理するよう指示
カナダ・オンタリオ州の裁判所は、7月12日、オンタリオ州政府に同性愛者の婚姻届を受理を指示した。州政府は、昨年、同性愛者のカップルの婚姻届の受理を拒否しており、これを受けてカップル側が州政府を相手取って訴訟を起こしていた。カナダで同性愛者の結婚を認める判決はこれが初めて。州政府側は、「法律では、結婚は男性と女性の間で行われると定めてられている」と主張していたが、控訴するかどうかは未定。
▼元記事(ロイター/CNN)
http://www.cnn.com/2002/WORLD/americas/07/12/canada.gay.marriage.reut/index.html
▼判決文(129ページもあります)
http://www.sgmlaw.com/userfiles/filesevent/file_1413620_halpern.PDF
■続報〜政府控訴せず
16日、カナダ・オンタリオ州のErnie Eves首相が、この判決に控訴しないことを発表したそうです。これによって、オンタリオ州では、(裁判所が立法の期限とした)2年以内に同性婚が合法化される見込みになりました。
▼元記事
http://ca.news.yahoo.com/020716/6/nnya.html
(3)「セサミストリート」にHIVポジティブのマペットが登場することに米保守派から反対の声
エイズ問題が深刻化している南アフリカで放映される「セサミストリート」に、HIV(エイズウイルス)に感染している設定のマペット(縫いぐるみ人形)を登場させる計画について、米共和党議員らが懸念を表明した(米業界紙デーリー・バラエティー)。議員らは13日付で、「セサミストリート」を制作するパブリック・ブロードキャスティング・システム社に書簡を送リ、「番組視聴者の大半が2—4歳児であり、年齢に応じて特定の病気に感染している人々に対する接し方を教えるのは重要だが、こうした問題を扱うには、年長者を対象としたより適切な番組があるのではないか」との見解を示した。新マペットは9月30日から、南ア版「セサミストリート」に登場する予定。
▼元記事
GOP targets HIV-positive Muppet
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/variety/20020715/tv_variety/muppets_1
■南ア版「セサミ・ストリート」正式発表
上記の記事のすぐ後(16日)、南アフリカ向けの「セサミ・ストリート」に、HIVに感染した孤児の少女役のマペットを登場させることを正式決定したことが発表された。名前など詳細はまだ決まっていないが、周囲から感染によって疎外される設定が考えられている。感染原因にはふれないとのこと。この設定は、南アフリカ政府が、製作会社に強く要請して実現した。南ア放送協会の担当者は、「エイズに関する固定観念を改め、希望を生み出すのが狙いだ」と語った。[読売新聞などから]
※この情報はYさんからいただきました。ありがとうございました。
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