ブッシュ大統領の人格問題 by Tom Yamagishi |
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7月30日(水曜日)米国大統領ジョージ、ブッシュの同性愛者に関する差別的発言が大きな波紋を広げている。 彼は同性愛者の婚姻を断固として認めない方針を合衆国最高裁に求める言い分を述べ、その中でももっとも問題とされる発言は同性愛者を「SINNERS」(罪人)と表現したことだ。この「SINNER」という言葉の中には「地獄へ行け」という意味も含まれている。 こんな人種差別的発言をアメリカ大統領が口にしていいものか、大統領の人格が疑われる。どこかのお役人が「市中引き回しの上、打ち首だ」と言ったのと同じようなものだ。 これに対して全米の同性愛者からは大きな非難が出たことはもちろん、各報道関係者からも「問題発言」として取り上げられている。その数日後、フロリダ州知事である弟のブッシュ氏も同じ発言をし、これもまた大きな波紋を広げている。ブッシュ大統領は先月初めにマサチューセッツ州最高裁で取り上げられた同性愛者の婚姻を促す州法を不当な判断として、「この問題は州ではなく国の最高裁で判断を下した方が妥当だ」という意味のコメントを出した。 アメリカ合衆国では国が同性愛者の婚姻を未だに認めてはいないが、州によっては公認され、異性愛者の婚姻条約に同等する扱いを受けられる州もある。先日カナダがオランダに続いて世界で3番目に同性愛者の婚姻を認めたという喜ばしいニュースがあったばかりの矢先のこのブッシュ大統領の発言には一体どんな裏話があるのか、、、、、、 これも最近大きな話題となったテキサス州のソドミー法に対する合衆国最高裁の判決で告訴側が勝訴したことについても、ブッシュ氏は不満だったようだ。 ブッシュ一族の同性愛者嫌いは有名で、なぜこれほどまでに同性愛者を毛嫌いするのか不思議なほどだ。アメリカのメディアは日本と違ってイイ子ぶるところがないから、「ブッシュ一族は過去に相当の嫌な経験をしたから同性愛者を毛嫌いするのだ」という話も出ている。以前私が記載したテキサス州のソドミー法についてのコメントの中にも書いたように、テキサス州では思春期を迎えた若者が動物と初体験をすることもあり、テキサス州出身のブッシュ大統領もその一人であるというのは、もっぱらの噂だ。 今回の発言の中でも、同性愛者は「まともな精神の持ち主ではない」とも言っているが、牛や馬とSEXを平気でするような人が同性愛はまともじゃないなんてことを言えるのか、、、、それこそ笑い話である。 アメリカは日本のように同一民族の国ではなく、あらゆる人種の坩堝だ。したがって人種差別問題は後を絶たないわけだが、「同性愛者は地獄へ行け」など言う発言は人種差別以外の何者でもない。 このブッシュ氏の発言があった翌日のテレビのトークショーでもこの話題が取り上げられ、これはブッシュ大統領が来年度の大統領選挙での再選を狙っての発言でもあるということを言っていた。これはどういうことかと言うと、話が遠回しになるが、これには「聖書」が関わっていて、聖書の中では「男女の結婚は家族繁栄をさせることで幸せを導くことである」という一節がある。したがって同性愛同士では家族の繁栄は望めないから聖書の教えに反する、それは神様に逆らう事になるから「地獄」行く事になると言うのだ。聖書は「黒人は奴隷である」と言う事もはっきりと言っている。神様はすべて同等に人々を扱うなんて思っていたら大間違いである。世界中で一番のベストセラーの本と言えば「聖書」なのだ。 と言うことはそれだけ多くの人々が聖書の教えを信じている。同性愛者はおかしい、黒人差別は当たり前だと思ってしまう。アメリカではかなりの数の人(特に年配の人々)は毎日曜日に教会に行く。そこで何を聞かされているか知らないが、そういう人達を味方につけたら選挙で票の獲得が有利だと、したがってブッシュ氏はそれを次期大統領選に結び付けているという話が出ていた。 ブッシュ氏は自分の事だけを考えているまったくの自分勝手な人間で、イラク戦争や911テロ事件の裏もすべて自分の株を持ち上げる為の工作に過ぎなかったんだという意見も出たほどだ。その話を聞いていて「その通りだ」と思ったが、それでもまだブッシュ氏を「神様」だと思っている大馬鹿なアメリカ人が多いのが現状で、ここTAMPAに先月ブッシュ氏が次期選挙の選挙活動資金を集めに来た時にも、何億円という資金をあっという間に集めて行った。 未だブッシュ氏を後ろで操っているのは母親のバーバラ前大統領夫人であり、ブッシュ氏の発言はすべて母親の意見であるというのも本当の話だ。こんな人物がまた次期大統領に出るのかと思うと、アメリカも行く先が不安になるばかりだ。景気が一向に回復しない背景にはブッシュ氏の頭の悪さが相当に指摘されているが僕はその通りだと思う。 最近の調査では、ブッシュ氏の支持率は50%ぎりぎりで再選は難しいという見解もある。戦争を引き起こした大統領で再任した人はいない。父親のブッシュ氏と同様で戦争を引き起こしたおかげで、物価が落ち込み不景気になって、国民の信頼を失ったわけだ。カエルの子はカエル。親の七光りでいい思いをするのもこれまでだ。 そして次期大統領選の対抗馬として今注目を浴びているのが、前ヴァーモント州知事のハワード・ディーン氏だ。彼は最近ヴァーモント州での同性愛者の実質的な婚姻(契約による/シビル・ユニオン法)を支持したいわゆるゲイフレンドリーな人で、このハワード・ディーン氏が出馬すれば全米の同性愛者たちの票はすべて彼に集まるだろうと言われている。今でこそアメリカのGAYパワーを見せる時だと思う。 もしハワード・ディーン氏が次期大統領になれば、アメリカが世界で4番目に同性愛者の婚姻を認める国になるのも夢ではない。いずれにせよ、国の頭に立つ人間は(小泉氏もそうだけど)自分の発言をもっと慎重に考え、責任を持って欲しいものだ。 関連情報はこちら 翻訳&記事の解説:Tom Yamagishi
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