アメリカが
カナダで同性婚をしているカップルの入国を拒否

by タカユキ

 
 

 カナダで初めて法的に結婚したゲイのカップルがアメリカに入国しようとした際、入国審査官に入国を拒否された。

 ケビン・ボーラサさんとジョー・バーネルさんは18日の朝トロントのピアソン国際空港に戻ってきた。アメリカのジョージア州に向け飛行機で出発しようとした際、アメリカ税関とアメリカ入国審査官に入国を拒否されたからだ。

 アメリカ税関とアメリカ入国審査官はカナダの主要な空港に駐在している。アメリカに入国しようとする人を2重チェックするためだ。ボーラサさんとバーネルさんは入国カードに彼らの関係を“家族”と明記したため、アメリカへの入国を拒否された。

 ボーラサさんとバーネルさんはジョージア州のブラセルセルトンで開かれる人権会議に出席するためにアメリカへ入国しようとした。その人権会議にはマーティン・ルーサー・キングさんの未亡人も出席する。

 彼らは慈善のLGBTの人権擁護団体のギル・ファンデーションの会議にも出席する予定だった。

 ボーラサさんによると、アメリカ税関は彼らに、アメリカでは同性同士の結婚は認識されていないので、あなた方は「家族」としてアメリカに入国はできないと言ったという。そしてアメリカ税関は彼らに別々の入国カードに記入するように求めたが、彼らはその要求を拒否した。

 ボーラサさんは、「私達がアメリカに家族として入国できないと知った時、私達はとても難しい決定をしなければならなかった」と話した。

 ボーラサさんは、アメリカが彼らの入国を拒否した事で、彼らの人権がはなはだしく侵害されたと訴えている。
 「私達はアメリカが要求してきたとおり、別々の入国カードに記入していればアメリカに入国する事はできた。 しかしながら、もしそうしたら私たちの品位がどれだけ損なわれていたことか。私達は侮辱されたと感じた。 だから私たちは、アメリカに入国しないと決めた」

 同性婚をカナダで擁護、推進している団体で働いているボーラサさんと、銀行員のバーネルさんは2001年、トロントのコミュニティー教会で挙式をあげた。カナダ政府に彼らの入籍を拒否された際、彼らは他の人々ともに同性婚が禁止されているのは不服として、カナダ政府と戦った。

 今春、オンタリオ地裁は同性婚が禁止されていることは違憲とする判決を下し、後にブリティッシュコロンビア州でも、そのような事は違法と判断された。その後、オンタリオ州とブリティッシュコロンビア州で同性婚は法的に認められ、カナダ政府も同性婚をカナダ全土で認めるべく連邦法の改正に取り組んでいる。

 ボーラサさんとバーネルさんは弁護士のダグ・エリオット氏に今朝連絡をとった。エリオット氏は彼らが同性婚の問題でカナダ政府と戦った際の弁護士である。エリオット氏は今朝、カナダ外務大臣のビル・グレアム氏と会談した。

 エリオット氏は、「アメリカ税関はアメリカ国内の法律を行使して彼らの入国を拒否したが、入国を拒否した場所はカナダ国内であった」と話し、「我々はアメリカに同性婚を認めるために法律を変えろと要求はできないが、しかしながら、我々は、カナダ国民が自分の家族をどのように扱うかという事が問題となった際、カナダの家族に関する法律が尊重され、カナダ国民が尊重の下扱われるべきだと主張はできる」と付け加えた。

翻訳&記事の解説:タカユキ
(タカユキ:神奈川県在住/翻訳スタッフ)

 

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