カナダ・ケベック州が
同性婚を容認する第3の州になる可能性

by Nick

 
 

 ケベック州の控訴裁判所は、オンタリオ州とブリティッシュ・コロンビア州同様に、同州内で同性カップルに同性愛者として結婚する権利を与えるべきだと言い渡され、「同性カップルの結婚する権利を否定することは違憲である」という一審判決を支持することが求められた。

 「この問題の核心においては、ケベック州であれ他の州であれ全く違ったことはありません。このような時代において、同性愛者を社会からのけ者にすることはもはや許されるべきではありません」と、コリン・アービン氏は法廷で述べた。

 カナダ連邦政府は、2003年の夏に、結婚の定義を修正する(同性同士でも可能にする)ことが適法かどうかの判断を最高裁に委ねることに合意し、上訴を取り下げたのだが、いくらかの保守的な宗教団体は、2002年9月にルイーズ・レメリン最高判事がだした「結婚を異性間だけに限定する定義は不当である」とする判決に上訴する方針だ。

 アービン氏は「政府がその法律を擁護する意思がないのに、上訴人らは上訴することは許されるべきでない」と述べ、「この問題は既に解決済で、これ以上法的判断を下す意味はありません」と語った。

 アービン氏はモントリオールのとあるゲイカップルの代理として論じた。マイケル・ヘンドリックスさんとレーネ・レベウフさんという、30年来の付き合いがあるカップルだ。

 「私たちは結婚の権利がどうしても欲しいのです」とヘンドリックさんは法廷の外で、報道陣を前にして語った。

 「我々は、このような権利問題は大衆の人気コンテストや、一般的な選挙のような方式、または多数派だけによって決定されるべきではないと心から思います。マイノリティー(少数派)の場合、憲法にこれらの問題を決定づけてほしいですし、法廷はそのためにあるものだと思います」と、ヘンドリックさんは続けた。

 昨年、オンタリオ州とブリティッシュ・コロンビア州の控訴裁判所は「1人の男性と1人の女性の間の連帯」であるという結婚の定義を廃止した。それからというもの、同2州では2500組の同性カップルが結婚している。

 結婚の定義を修正し、同性婚の権利を拡大するカナダ国内の連邦法は、最高裁判所の合憲かどうかの判断を待っている段階だ。一方では、議会では意見が割れている。ポール・マーティン内閣の何人かは、法案を書き換え、同性愛者には完全な結婚の権利を与えずに、シビル・ユニオン(市民間の契約という形式)というかたちだけを認めるようにすることを主張している。

翻訳&記事の解説:Nick
(Nick:東京都在住/翻訳スタッフ)

 

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