アメリカのサンフランシスコ市が12日、全米の自治体で初めて同性婚を認め、56組のカップルが正式に結婚した。
先日サンフランシスコ市長に当選したギャビン・ニューソム 氏が9日に行った発議に基づき、市長独自の判断で、市庁舎に訪れた56組の同性カップルに結婚許可証を発行したものである。15日までには、約1600組の同性カップルが法的に結婚した。
バレンタインデーにあたる14日には、市庁舎に、大多数の結婚希望者が訪れたため結婚許可証の発行が追いつかなくなり、市庁舎は300組以上の結婚希望者に対して整理券を発行し、翌日にもう一度来るように促した。16日は祭日のため本来は休日であったが、市庁舎は窓口を空け結婚許可証の発行を続けた。
ニューソム市長は、郡書記に対し、同性カップルに結婚許可証発行を開始するにあたり、どのようなプロセスを踏むべきかと意見を求めていた。
「つい最近まで、私はこの市庁舎で、カリフォルニア州憲法は明らかにどのような種類の差別も禁止すると述べている、と訴え続けてきた」
ニューソム市長はこのように話し、「我々と同じコミュニティーに属する者の基本的な権利が否定されてはならない」と付け加えた。
同性婚が合法かどうかは明かではない。カリフォルニア州法では、「婚姻は“男”“女”の間にのみ成立する」と述べられているからである。
このサンフランシスコ市の決定を受け、キリスト教右派を中心とする保守派のグループは、婚姻許可証の無効と、今まで同性カップルに発行した全ての婚姻許可証の無効を求め、裁判所に訴えた。
保守派のグループのうちの1つ、The
Campaign for California Families(カリフォルニア家族キャンペーン)の弁護士であるリチャード・アッカーマン氏は次のようにコメントした。
「率直に言って、これは素晴らしい市長の策略である。しかし残念なことに、12日に結婚できたと思っていたカップルは、17日には結婚などできなかったと理解するだろう」
アメリカでは16日は大統領記念日(22日生まれのワシントンと12日生まれのリンカーンを記念して設けられた)で、裁判所が休みであるため、早くても裁判は17日に行われる。
「我々は、カリフォルニア州憲法の条項を支持し、サンフランシスコに住む同性愛者の人々に対する婚姻の差別撤廃を訴え、違法な婚姻の差別を終止符を打つべく活動する市長を強く支持する」
全国レズビアン権利センター(National Center for Lesbian Rights)の法律顧問であるシャノン・ミンスター氏はこのように述べた。
また、ラムダ・リーガル弁護教育基金/法律部門ディレクターのゲイリー・ブセック氏は「我々は、確実に結婚許可書が出され続けるために必要などんな法的措置でもとるつもりです」と、声明した。
サンフランシスコ市は、同性同士の間では「ドメスティックパートナー」のみを認めている。
LGBT(レズビアン/ゲイ/バイセクシャル/トランスジェンダー)の活動家の間では、カリフォルニア州はGLBTの人々に対し比較的フレンドリーであると考えられている。去年、前カリフォルニア州知事であるグレイ・デイヴィスが、同性同士のドメスティックパートナーの登録を認め、結婚をした異性カップルとほぼ同等の権利を与えたという経歴があるからである。
2000年に行われた投票で、州外で合法的に結婚した同性カップルに対して婚姻における権利を禁止する法案が可決されている。しかしながら、今回のケースは州内で同性婚が認められた為、この法案は意味をなさない。
サンフランシスコ市に続き、マサチューセッツ州で5月17日に同性婚が合法化され、アメリカで最初に同性婚を法的に認める州となる。
翻訳&記事の解説:井出
(井出:神奈川県在住/翻訳スタッフ)
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