米ブッシュ大統領
同性婚禁止のために憲法を改正すると表明
全米で反発

 
 

 ジョージ・ブッシュ大統領は、24日火曜日、憲法を改正して同性同士の結婚を禁止することを支持すると表明した。この動きは、民主党およびGLBTの権利擁護グループを激怒させている。

 ブッシュ大統領は、ホワイトハウスで、サンフランシスコの同性婚、そしてマサチューセッツの5月に同性婚の実施を求める判決に対する懸念をくり返した。

 「結婚の意味が変えられてしまうことを永遠に防ぎ、アメリカという国での結婚を護るためには、憲法を改正しなければならない。今日、私は、米国議会に対して、結婚を男性と女性、すなわち夫と妻の結びつきとして定義する憲法改正案を、すみやかに通過させ、批准のために各州に送ることを求める」。

 この声明に対して、「憲法に差別を書き込むのか」「露骨な選挙対策で、保守的な共和党員への迎合だ」など、非難の声が続々上がっており、アメリカのGLBTへの「宣戦布告」だと語るアクティビストも少なくない。

 民主党全国委員会委員長テリー・マコーリフは、声明を出し「民主党はこの憲法改正に反対である。アメリカの憲法に差別を書き込むのは間違っている。ゲイ/レズビアンの家族に対する攻撃を選挙戦略として用いるなど、恥ずべきことだ」と述べた。

 アメリカ最大のゲイ/レズビアン団体・「人権キャンペーン」の代表シェリル・ジャックは、「憲法改正は、これまで歴史的には、自由と平等を拡大するのに役立ってきた。女性に参政権を与えたように。今回の改正が行われれば、初めて憲法の中に差別を復帰させるものとなるでしょう」と声明した。

 「ラムダ・リーガル」の上級顧問ジョン・デーヴィッドソンは、「ブッシュ大統領が今日支持を表明したような改正は、アメリカ中の家族を危険にさらすことになるだろう。同性カップルが作る家族は、この国に、またそれ以外の人々に何ら脅威を及ぼさない」というコメントを発表した。

 民主党の大統領候補に最も近いジョン・ケリー上院議員は、同性カップルの結婚認定には反対だが、ブッシュが推奨している改正にも反対している。

 ブッシュ大統領は、火曜日の記者会見において、各州が結婚とは異なる法的措置(バーモント州のシビル・ユニオンやカリフォルニア州のドメスティックパートナー制など)を選択する余地を残すべきだとも語った。しかし、昨年共和党議員によって議会に提出された改正案では、そうした「結婚のようなもの」も無効にできると解釈可能なものであった。

 共和党員の同性愛者で構成される最大の団体「ログ・キャビン・リパブリカンズ」も、「神聖なアメリカ憲法を選挙の得点稼ぎに使うことに憤慨する」とブッシュ大統領の決定を非難した。

 憲法改正のためには、提案された改正案が議会の両院を3分の2の賛成で通過し、さらに全州の4分の3で批准されなければならない。

訳&記事の解説:伊藤

 

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