カリフォルニア州シュワルツネッガー知事、突然の変心

 
 

 カリフォルニア知事アーノルド・シュワルツネッガーは、180度転換して、法律が変われば、同性婚に反対しない、と言った。

 3月1日夜のNBCのテレビ番組に出演したシュワルツネッガー知事は、「州法にうたわれるか、裁判所によって法的に規定されれば、同性婚は、私にとってもすばらしいものになるだろう」と語った。「そう、法律が変われば、問題ない。法廷が、人々が決めることだ。人々が考えを変え、くつがえしたいものがあるならば、それはそれですばらしい」。

 シュワルツネッガー知事の発言は、マーク・レノ議員が、州議会にゲイ/レズビアンが結婚許可書を得られるようにする法案を提出するのを支持するとも受け止められる。つまり、物議をかもしている「提案22」(2000年3月の住民投票で承認された、州が認める婚姻は異性間のみで、州外で同性婚をしても認めないという州法)の廃止を支持することを示唆しているともとれる。

 この発言は、共和党の知事であるシュワルツネッガー氏が、憲法改正によって同性婚を禁止しようとしているブッシュ大統領と一線を画したことになる。知事は「私は、この問題は、州に委ねられるべきだと思う」として、憲法改正は不要で無意味であるとと発言をした。

 しかし、すでに報道されているとおり、シュワルツネッガー氏は、知事選の時から「シビルユニオンは支持するが、同性婚は認めない」と言っており、ほんの1週間前にも、州の司法長官ビル・ロキヤーを非難し、サンフランシスコ市が行っている「違法の」同性カップルへの結婚許可書発行に対する緊急措置を裁判所に出させるよう求めていたばかりである。そして、その結果、州の最高裁判所は、緊急停止命令を拒否した。

 2月22日には、「私たちは、突然起こる暴動や抗議や衝突の不安に見舞われている。さらに負傷者や死者も出るかもしれない。そこまで行きたくない」と事実に反する描写をし、「サンフランシスコ市及び同市の法廷は、法の支配を無視する危険な道を歩んでいる」と非難し、「同性カップルへ結婚許可書を発行することは、違法な攻撃用武器の製造やドラッグの販売に許可書を与えることにつながる」から許せないのだ、とさえ述べた。その知事が突然何を悟ったのだろうか?

 レズビアン/ゲイは、苦笑しながらこのコメントを歓迎しているが、保守派は激怒している。「提案22」の起草者でもある共和党のカリフォルニア州選出上院議員ウィリアム・ナイトは、知事のコメントにショックを受けたと語り、「提案22」を守るためにどんなことでもする、と述べた。

訳&記事の解説:伊藤

 

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