1日・月曜、ニューヨーク州の司法長官エリオット・シュピッツァー(民主党)は、共和党のニューヨーク州知事ジョージ・パタキに公然と反抗する形で、同性カップルに結婚の権利を与えることを支持することを表明した。
先週(2月の最終週)、パタキ州知事は、ニューポルツ村のウェスト村長が執り行った同性婚の式典を、裁判を起こして阻止するようシュピッツァー司法長官に指示した。しかしシュピッツァー司法長官は、法廷の聴衆を納得させ裁判所に同性婚の禁止命令をださせるために必要な「同性婚が取り返しのつかない被害を州内のいずれかの団体に与えること」という基準を今回のケースは満たさないので、州側は裁判に勝つ見込みがないとして告発することを拒否した。
シュピッツァー司法長官は、「私は同性婚に関しては全く問題がないと思っています。異性間だけでなく同性間が結婚できるようになっても、人々は不快感を抱かないであろうというポイントまで法が動いてきたのではないかと思います」と述べた。
シュピッツァー司法長官の事務局は、現在、同性カップルの市民間の結婚はすでに合法ではないだろうか、ということを判定するために州憲法を検討している段階だ。同性愛者の人権活動家たちは州の法律では、結婚する当事者同士の性別は明記されていない、と指摘する。
ウェスト村長によって執り行われた結婚は、結婚許可書が発行されていないため、法的な拘束力はない。
3日、ニューポルツ村のあるウルスター郡の検察官ドナルド・A・ウィリアムズは結婚許可証なしに19件もの結婚を執り行った行為が家族関係法違反にあたるとして、ウェスト村長を告発した。実際には25組の結婚式を執り行っていたのだが、目撃者の証言が集まったのが19組のケースだった。
ウェスト村長は結婚式を執り行った一組ごとに、最高500ドルの罰金と、最高で一年間の懲役を受ける可能性がある。ウェスト村長は「私はいかなる法も破っていません。弁護士の助言がなければ、6日・土曜日に他の同性婚の式典も執り行う予定でした」と述べ、無罪を主張している。
ウィリアムズ検察官は、「この裁判では同性婚がニューヨーク州で合法であるかどうかの判断を下す性質のものではなく、結婚許可証なしで結婚式が執り行われたことが合法であるかどうかということだけに焦点を当てるつもりだ」と述べた。
ラムダ・リーガルのマイケル・アダムズ氏は、「この裁判は、ニューポルツ村で結婚した同性カップルにインパクトを与えるようなものではない。彼らの結婚は尊重されなければならない」と述べた。
一方イサカ市長キャロリン・ピーターソンは、無理にでも州法廷に同性婚の合法性について判決を下すようにさせる予定がある。ピーターソン市長は1日に同性カップルからも結婚許可書取得申請を受け付けると発表した。
イサカ市の検察官マーティン・A・ラスターは、「州に対して訴訟を起こすように努めています。伝統的にリベラルなイサカ市は、州を訴える時には同性カップルに味方するでしょう」と述べた。
ピーターソン市長は、バッファロー・ニュースのインタビューに答え、以下のように述べた。「同性愛者の人々は、二流市民の状態から抜け出し、結婚した夫婦に与えられるのと同じ様々な権利と責任を享受することができるようになるに値するのです」
さらに、「ニューポルツ村で結婚しようがサンフランシスコやカナダで結婚しようが、結婚した同性カップルはニューヨーク州では法的に尊重されなければならない。私たちはカナダで結婚した100組以上の同性カップルを含む何組もの同性カップルとともに、同性婚が州全土で法的な認知がされるように働きかけ続けます」と続けた。
4日・木曜日に、ニューヨーク市では同市長マイケル・ブルームバーグに同性婚を支持するように呼びかけるための大規模なデモが行われる予定だ。
デモは、New York Marriage Now(ニューヨーク州・同性婚の権利を達成することを目指す団体)が組織している。メンバーの一人であるアンドリュー・ミラーは、「ブルームバーグ市長は、ニューヨーク市の書記に結婚許可書を発行するよう指示を出し、市庁舎で同性カップルの結婚を執り行わなければならない」と述べた。
ブルームバーグ市長は、同性婚を支持するかしないかということについてはコメントを拒否している。
しかしニューヨーク市議会の議員は同性婚に対する支持を示している。2月26日・木曜、3人の市議会議員は合衆国憲法を改正して同性婚を禁止する条項を加えることを非難する動きを見せた。
翻訳&記事の解説:Nick
(Nick:東京都在住/翻訳スタッフ)
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