アメリカ大統領選で民主党の候補者となることが確定的になった、マサチューセッツ州上院議員、ジョン・ケリー氏が、カリフォルニア州民主党員が先週質問した中で、もし、自分が大統領に選ばれた場合、同性カップルに対して結婚した異性カップルと同等の権利を与えると話したという。
サンフランシスコの民主党員で下院議員のマーク・レノ氏は、ワシントンポスト紙の取材に対し、
「ケリー氏は私に、私は同性カップルが住む州が認めるどんな法的形式であろうと、異性愛者に与えられている1049項目、すべての権利を同性カップルに与えると語った」と答えた。
そしてレノ氏は、
「大統領候補者が同性カップルに対し、完全で平等な保障を与えると話したことは、歴史上初めてだ」と付け加えた。
レノ氏によると、先週の金曜日(2月27日)に、豪華なマーク・ホプキンズ・ホテルで行われた資金集めのパーティー会場において、ケリー氏、レノ氏、ダイアン・フェイスティーン氏(上院議員)の3氏が会談する中で、ケリー氏がそのように発言したという。
ケリー氏のスポークスパーソンであるステファニー・カッター氏はその会談が行われたことを認め、ケリー氏の声明は、同性カップルに連邦権利を与えるという、ケリー氏の政策を反映した物だ、と語った。
そして、カッター氏は、ケリー氏はその1000を超える項目の検討をまだ終えていないが、平等性をきっぱりと守るという約束は必ず果たす、と語った。
ケリー氏は、ブッシュ大統領が表明した、同性婚を禁止するという項目を憲法に加えるという憲法改正案は否定しているが、はっきりと、自分は同性婚には反対の立場である、と述べている。
他の有力な民主党員と同様に、ケリー氏は、同性カップルの権利を支持する一方で、アメリカの「伝統的な」結婚のあり方についても支持するといった、微妙な立場にいる。
しかしながら、ケリー氏の同性カップル支持の立場に、先週、異議が唱えられた。彼が、マサチューセッツ州の同性婚を禁止する憲法改正案を、同性カップルにシビル・ユニオンを叙するという条件で、是認したためだ。
この彼の態度は、全米の同性愛者活動家を動転させた。
「ナショナル・ストーンウォール・デモクラッツ」(NSD:民主党の同性愛者団体)代表のデイヴィッド・ノーブル氏は、「ケリー議員は間違っている。彼がその改正案を承認したのは、誠に遺憾である」と語った。
NSD報道部長のジョン・マーブル氏は、
「結婚を許可することなく、同性カップルに異性カップルと全く同等の権利を与えるというケリー氏の公約は、正しい事だと思う。しかしながら、彼の立場は完全ではない。彼の立場は我々が本当に望んでいるものではないからだ。けれども、このような先駆的な政策を掲げる候補者はほとんどいない」と語り、ケリー氏に対してある一定の評価を示した。
その上でマーブル氏は、「GLBTコミュニティは、完全な婚姻の平等をかちとる事を目標にしているが、GLBTの平等へ向けて進んでいるならば、GLBTのコミュニティを支持している政治家とともに行動するのは、とても重要なことである」と語った。
そして最後にマーブル氏は、
「しかしだからと言って、私たちは彼らの立場に満足しているわけでもなく、さらなる権利主張することを止めたわけでもない。つまり、一番重要なことは、この件を実現する過程に関して、我々は我慢強くなることである」と話した。
翻訳&記事の解説:井出
(井出:神奈川県在住/翻訳スタッフ)
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