全米各地で同性婚をめぐる集会

 11日に、カリフォルニア州最高裁が、サンフランシスコ市当局に対して、同性カップルへの結婚許可書発行を一時停止させる命令を出し、マサチューセッツ州ボストンでは、州議会が、シビルユニオンは認めるという譲歩付きながら、同性婚禁止の州憲法修正の予備承認を果たした。同性婚支持者にとっては、失望と激しい怒りを伴う挫折の日となった。それに対応して、各地で抗議行動があった。

 サンフランシスコでは、11日夜、200人以上が、カストロ地区から州最高裁判所のあるビルまで、ロウソクやレインボーフラッグやプラカードを持って、抗議の行進をした。プラカードには「愛を止めることはできない」と書かれていたり、結婚許可書を拡大コピーしたものが貼られていたりした。

 参加者のひとり、マラ・フィーニーさん(53歳)は、来週予定していた結婚式が保留となり、「私の足下から、敷物が引き抜かれたように感じます。私は激怒しています。そして、私たちは猛烈に闘うつもりです」と語った。

 ボストンでは、11日、同性婚の支持者と反対者の両方が、州憲法改正の票決をした州議会を取り囲み、両者の集会は対決色を強めた。

 同性婚の支持者たちは、「勝利を我らに」(アフリカ系の人たちが市民権を得た公民権運動で、テーマのように歌われたフォークソング/“We shall overcome”)を歌い、反対者たちは「1人の男性、1人の女性、神の計画」を詠唱した。反対者は、実物大の十字架像を掲げたり、子どもにカードを持たせたりなどして、数の上では支持者をやや上回っていた。

 シカゴでも、150人規模の、同性婚支持の集会が開かれた。その場で選ばれたレズビアン/ゲイの代表は、市の中心部で記者会見を開き、下院議長デニス・ハスタート(共和党)へ送る署名入りの手紙を公開した。内容は、デニス・ハスタートに対して、同性婚を禁止するための連邦憲法修正をやめろ、というものだった。

 シカゴ市が属するクック郡の役人デイビッド・オアも集会に参加して、「同性カップルに結婚許可書を発行したいと思っているが、法律がそれを許さない」と、群衆に話した。しかし、群衆はそれに納得せず、オアをなじり始め、オアは自分のオフィスに逃げ帰った。


訳&記事の解説:伊藤

 

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