3月14日のスペイン総選挙(上下院選)で勝利して次期首相が確定的なホセルイス・ロドリゲス・サパテロ社会労働党書記長は、同性カップルのために、シビルユニオン法を導入する、と発表した。シビルユニオンは、「結婚」とは呼べないが、現在異性カップルが受け取ることができるのと同様の権利を保障する「契約」になる。
サパテロ氏は、18日、テレビのインタビューの中で、「同性愛者の家族を認めることは、近代的で寛容な社会の特徴です。パートナーシップで結ばれた同性愛者を、結婚と同じ地位に置く法案を提出するつもりです。その意味から考えると、結婚という概念にはなじまないのかもしれませんが、法律的には、同じ効果を持ちます」と述べた。立法に向かう時期は明示しなかった。
彼の発言に対して、「お堅い」カトリックのスペイン国民の多くは驚いた。もともと社会労働党の指導者たちは、選挙運動の当初(今年の1月)から、この問題への関心を表明しており、有権者たちに、長期間にわたる同性間のパートナーシップに対する法的地位を向上させるばかりではなく、レズビアン/ゲイに対する差別を減らすことも公約していた。このコメントは、ホセマリア・アスナール首相と国民党を怒らせ、国民党は、カトリックの有権者たちに、こんな政党を支持しないよう求める宣伝を展開した。
さらに、国教会の長であるアントニオ・マリア・ロウコ・バレーラ枢機卿は、同性愛者の家族が「生来子どもを持つことができない」ので、同性カップルにも平等の権利を与えることは「激怒」に値するとし、「社会保障制度の崩壊」も招く、と述べた。
サパテロ氏は、総選挙で勝利して以来、アスナール首相が推進してきたイラク参戦に対して、「国連が国の管理を引き継がない限り、イラクから軍隊を撤退させる」など、一連の大きな政策転換を次々と公表している。
訳&記事の解説:伊藤
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