マーティン・ルーサー・キング牧師未亡人
コレッタ・スコット・キングさん
同性婚禁止のための憲法修正に反対の意を表明

 アフリカ系アメリカ人の市民権獲得のリーダーで、1968年に暗殺されたマーティン・ルーサー・キング牧師の未亡人、コレッタ・スコット・キングさんは、23日・火曜、同性婚禁止のための憲法修正に反対の意を表明した。

 キングさんは、ニュージャージー州のリチャード・ストックトン大学におけるスピーチの中で、同性婚問題にふれ、同性カップルの結婚する権利も市民権のひとつであるとして、以下のように述べた。「ゲイ/レズビアンの人々には、家族がありまする。その家族は、結婚またはシビルユニオンによって、法的な保護を受けるべきです。同性婚禁止のための憲法改正は、ゲイ・バッシング(ゲイを非難・攻撃すること)のひとつの形にすぎず、伝統的な結婚を守るためだとしても何の意味もなさない。憲法の改正は、自由を広げるために行われるべきで、制限するために行われるべきではない」。

 キングさんは、ゲイ/レズビアンの結婚を阻止するための州憲法改正案を支持している、ジョージア州(彼女の故郷)のアフリカ系牧師のグループに対しても、批判を展開した。22日に、約30人のアフリカ系牧師の指導者たちが、同性婚に反対し、集会を開いて、次のように宣言した。「ライフスタイルの選択を人種差別と同等視することは、全ての市民権運動の品位を下げる。人々は、自由に自分の選んだ関係を追求できるが、好みのライフスタイルに合わせるために結婚を再定義するのは間違っている」。

 キングさんは、こうした牧師たちの姿勢を「ウソを教えている」と断じた。彼女は、一貫して、同性愛者の人権問題の支持者であり、しばしば性的指向による差別について語ってきた。自分の夫が、同性愛者の市民権を認めていたことについても、「(夫の)キングも、ワシントンで行われたアフリカ系アメリカ人の公民権運動を求める行進(1963年8月28日、25万が参加、翌年公民権法が成立)を組織したメンバーのひとり、バイアード・ラスティンがゲイだったと、よくうれしそうに指摘していた」と述べた。


訳&記事の解説:伊藤

 

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