サンフランシスコではゲイ・ウェディングを継続中

by ワタル

 米国、サンフランシスコでは、カリフォルニア州最高裁がサンフランシスコ市の同性カップルへの結婚許可書発行を差し止める決定を下した(→詳細はこちらから)にもかかわらず、この決定が差別的な方策であることを訴えるために、未だ市庁舎でウェディングセレモニーを敢行する同性カップルが後を絶たない。

 このウェデングの継続は「結婚したいのにできないカップルが、まだ何千といるという事実を明らかにしました」と同性カップルの婚姻権の促進を図る団体、「マリッジ・イクオリティ・カリフォリニア(結婚の平等を求めるカリフォルニア)」の代表、モリー・マッケイさんは語る。マッケイさんによると、同市が結婚許可書の発行を中止したとき、2588組の同性カップルの結婚の予約がすでに入っていたそうで、そのすべての予約がキャンセルされたとのこと。
「彼らはどこかに行ってしまったわけではありません。多くのカップルがすでに、友だちや家族を呼んで結婚のお祝いをする準備をしてしまっていました」。その結果、セレモニーは許可書なしで予定通り進められた。

 チャールズ・バークさん(38歳)と、11年来のパートナーであるレイモンド・ヘルナンデスさん(40歳)の結婚式は、3月30日に市庁舎の豪華な円形広間で行われ、25人のゲストが出席した。その中には、アイダホ州から駆けつけたバークさんの両親もいた。2人は、結婚許可書をもらえないことを承知で、予約を入れていたこの日に結婚式を挙げることを決意したそう。

 「公的に私たちの立場を主張するのは重要だ、と思ったからです。これはまだ問題になっていることですし、がんばって実現させようとしている人たちもいます。まだ終わったわけではありません」とバークさん。

 保険会社のマネージャーであるバークさんは、2月にサンフランシスコ市が結婚許可書の発行を始め、多くのカップルが市庁舎の外に長い列を作って並んでいるころ、ビジネスで街を離れていた。彼が戻ってきたときには、市は結婚する際に予約を必要とする方針に変えてしまっていた。

 「予約を取るのに3日間も電話をかけ続けましたよ」とバークさん。彼とパートナーはそのとき、彼らの番になってもし許可書が与えられなかったとしても、セレモニーを行うことを決意したそうだ。「なぜなら、私たちの結婚は合法化されるべきだという確信があったからです」。セレモニーのあと、50人ほどの友人たちが2人の家に集まり、パーティーを開いた。

 イアン・エンリケスさん(30)とベン・ロソーさん(39)のカップルは、4月15日に結婚することになっていたが、予約をキャンセルせずに市庁舎でセレモニーをすることにしている。2人のために、ボストン、ニューヨーク、イギリス、フィリピンから友人や家族が駆けつけるそうだ。

 「これは、私にとって本当に大切なことだったんです。友達や家族を招待できるなんて。みんな航空券を買ってしまいましたし、また航空券を買ってあげるなんてできないでしょう」とエンリケスさん。

 エンリケスさんは、最高裁が同性カップルに結婚許可書を与えない決定を命じたとき、偶然にも市庁舎にいたそうだ。「私は怒り心頭に達しました。これでも控えめな表現ですよ」と彼は語る。結婚許可書なしでパートナーとセレモニーを挙げなければならないことに、彼はとてもショックだったそうだが、二人でセレモニーはしようと決めたとのこと。
「家族の前で合法化が実現する、という願いをあきらめなければなりませんでした。家族の名前が許可書に載るなんて、とても素晴らしいことだったに違いありません」。

翻訳&記事の解説:ワタル
(ワタル:埼玉県在住/翻訳スタッフ)

 

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