米カリフォルニア州最高裁判所
同性婚に関する判決は8月に

 カリフォルニア州最高裁判所は、4月28日、同性カップルに結婚許可書を与えるというサンフランシスコ市長の決定が州法違反かどうかについて、5月25日に口頭弁論を行うと発表した、

 州最高裁の7人の裁判官は、口頭弁論は2時間の予定で、その90日後に判決を出すと言う。

 そこで予想される双方の主張は、カリフォルニア州司法長官ビル・ロキヤーと保守派の団体側は、同性カップルに結婚許可書発行を命じたギャビン・ニューサム市長が、州法を無視し、市長としての権限を逸脱した、とするのに対し、ニューサム市長側は、州法より上位で差別を禁止しているカリフォルニア州憲法を護るという義務を果たしただけであり、州憲法を尊重すべきだとしている。さらに、地方自治体が、州憲法・連邦憲法にしたがって独立した行動をとることが妨げられるなら、この国の政治制度の根幹が揺らぐとも主張することになりそうだ。

 2月12日に、ニューサム市長が、郡の事務官に同性のカップルへの結婚許可書発行を指示して以来(サンフランシスコは、市がそのままひとつの郡になっている/結婚許可書を発行するのは市町村でなく郡)、3月11日に州最高裁が発行一時停止命令を出すまでに、4000組以上の同性カップルが市庁舎で式をあげた。すでに許可書の発行を受けたカップルをどうするかも、今回の裁判の焦点になっていて、司法長官ビル・ロキヤーは、それを全て無効とするよう訴えている。この点に関して、州最高裁は関係者に文書の提出を求めている。

 そもそも、同性婚を禁じる州法が、州憲法に違反しているかどうか、という争点は、これとは別の裁判で争われており、下級裁判所から最高裁まで上がってくるのにはまだかなりの時間を要しそうだ。したがって今回の判決では、ニューサム市長の行動の是非と、発行された結婚許可書の処置が中心に判断されることになる。


訳&記事の解説:伊藤

 

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