カナダ、同性愛嫌悪の発言を法律で禁止

 カナダは、憎悪犯罪法に性的指向も含める改正案を施行することになった。4月28日、下院の可決に続き上院が承認して、決定された。これまですでに、性的指向を理由にした身体への攻撃は違法になっていたが、「憎悪を促進する」言行から少数派を護る別の条文に同性愛者は含まれていなかった。

 この法案は、政府ではなく、新民主党のスベン・ロビンソン議員によって下院に提出された。個人の議員の提案が審議され、かつ可決されるのは異例なことであり「奇跡的だ」との声も出ている。スベン・ロビンソン議員は、カナダで最初にカミングアウトした同性愛者の議員として20年以上、LG関連法案の成立以外にも人権関連の立法に大きく貢献していて、評価が高い。しかし、自身の提出した法案が可決された日、彼が起こしたスキャンダル(長年付き合ったパートナーのために高価な指輪を万引きしようとしたのではないかという疑い)のために議会にいなかった。

 この法案が通過するまでの議論は激しく、保守的な宗教団体による議会工作や批判攻撃はすさまじかった。新法によって、「同性愛は間違っている」と説くことができなくなる可能性があるからである。しかし、同性愛者に対する憎悪犯罪の実態を知っている警察関係者はこぞってこの法案を支持した。

 新法の下では、ゲイ/レスビアンに対する暴力を誘発するような発言をした者は、罰金または投獄の対象となる。


訳&記事の解説:伊藤

 

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