マサチューセッツ州では、プロヴィンスタウン、サマヴィル、スプリングフィールド、ウスターの4都市で、州外に住むカップルに対して発行した結婚許可書をどう扱うかが今最大の焦点になっている。ミット・ロムニー州知事は、あくまでそれを認めない立場を5月20日に明らかにし(その日は正式に結婚許可書が発行され、たくさんの結婚式が行われた)、翌21日、州司法長官トーマスF.ライリーは知事に同意し、その指示を実行するために動き始めた。
ライリーは、結婚許可書の申込書において、州に住んでおらず、移住する意志もないカップルは、州の記録係に登録させないよう命じた。すでに、18日に、ロムニー知事が4都市に対して、結婚許可書の申込書のコピーを提出するよう命令を出していたので、指示は極めて具体的に行われた。ただ、カップルを罰するなどそれ以上の措置はとらないとのこと。
これに対して、今回の同性婚許可に至る裁判を担当したメアリー・ボナウト弁護士は、訴訟を起こす可能性を示唆した。
州外に住むカップルに対して結婚許可書を発行できないという指示の根拠は、1913年に、異人種間の結婚にかかわって制定された「結婚法」(当時、マサチューセッツ州は異人種間の結婚を認めていたが、まだ多くの州では認められていなかった。それによって多数の人間がマサチューセッツ州に流入するのを防止するために作られた)なのだが、マサチューセッツ州議会上院は、19日、28対3で、この法律の廃止を可決している。今回のロムニー知事の指示は、この議決に対抗したものでもある。
この廃止を18日に提案したのは、オープンリー・ゲイ(カミングアウトして活動している)の上院議員ジャレット・バリオ(民主党/ケンブリッジ市)氏だ。目的はもちろん、州外に住むカップルに対して結婚許可書を発行できるようにするためだ。
バリオ氏は、「結婚法」はもともと、81年前に異人種間の結婚の認知を妨げるように作られた「恥ずべき起源」を持つ、と述べている。また、この法律は、最近の40年間、実質的に適用されたことはなく、それは、この法律がたくさんの家族に不利益を与えてきたからに他ならない、と指摘した。
しかし、法律の廃止の前には、より保守的な下院と、知事の拒否権が立ちはだかっている。
訳&記事の解説:伊藤
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