スイス議会がシビルユニオン法を承認

by 井出

 スイス議会は6月10日、同性カップルが自分たちのパートナーシップを登録できるようにする新しい法案を承認した。

 その法律により、同性カップルに、年金を受け取ったり遺産を相続する権利が与えられる。しかしながら、養子を引き取る権利や、体外受精などで子供を作る権利は与えられていない。

 この法律は、ヨーロッパの中で最も制限のある方のシビルユニオン法だが、議会内の保守派で宗教色の強い小政党から強い反発を受けている。

 そうした政党の一つ、「連邦民主連合」は議会に対し、現状の社会秩序とは異なるライフスタイルを支持してはならないと反論し、この件に関して国民投票に持ち込むのに充分な署名を議会内で得ることができると自負している。

 同性愛者人権擁護団体「ピンク・クロス」のジャン=ポール・ギザン氏は、この法律を闘って護っていく覚悟がある、と語った。

 ギザン氏は、その法律に養子をとる権利も盛り込まれるのではないかと期待していたが、政府はそれが可能となるように努力したと話し、政府に対しある一定の評価を示した。

 そしてギザン氏は、「私たちは、現時点でこのような法律を通す必要があった。もし私たちが、同性婚でなければ何もいらないと「0か100か」の主張をしていたら、何も得られなかっただろう。慎重に気長に進んでいけばいいのだ。私たちは、今回の法律にある程度制限が加えられているものの、現段階ではかなり満足である」と語った。

 さらに、「そう遠くない将来、スイスの同性カップルたちが、同性婚という完全な権利を受け取ることができるようになるだろう」と付け加えた。

翻訳&記事の解説:井出
(井出:神奈川県在住/翻訳スタッフ)

 

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