米国ミズーリ州で
同性婚を禁止する州憲法改正案
州民投票で承認される

 8月3日、米ミズーリ州で州民投票があり、同性婚禁止を盛り込んだ、ミズーリ州憲法改正案が承認された。最終結果は確定していないが、投票者[投票率約37%]の71%以上が、憲法改正案に賛成票を投じた。

 アメリカ最大LGBT団体「人権キャンペーン」のシェリル・ジャック代表は、この結果を批判して「もう全く政治的意図による投票だ。過去3年半にわたってミズーリ州で8万人が失業したという事実から州民の目をそらすために、ブッシュ大統領がやっている一連の行為のひとつに過ぎない」と述べた。

 同性婚の支持者も反対者も、この投票が今後の同様の州民投票の結果を占うものとして受け止めている。ルイジアナ州では9月18日に、アーカンソー、ジョージア、ケンタッキー、ミシシッピ、モンタナ、オクラホマ、オレゴンとユタの各州では11月2日に、州民投票が行われる予定である。また、ミシガン、ノースダコタとオハイオの各州でも、投票の可能性がある。

 今回のミズーリ州の動きは、同性婚を認めたマサチューセッツ州最高裁の判決によって加速された。ミズーリ州にはすでに、同性婚を認めないことを成文化した法律があるのだが、裁判所がその法律を覆すことをおそれ、州憲法に明白に同性婚禁止を書き込めば裁判所が法律を覆せなくなるだろう、と考えたのである。なお、マサチューセッツ州最高裁の判決以前に、同性婚を禁止する州憲法改正をしていたのは、アラスカ、ハワイ、ネブラスカとネバダの4州である。

 州憲法改正を支持した「ミズーリ家族ネットワーク」の代表ケリー・メサーは、「私たちは、ミズーリ州における“結婚”が今まで通りの形であり続けることを求めている」と語っている。

 今回の結果は、LGBTのアクティビストたちを失望させてはいるものの、保守的な州においてそう驚くべきことでもなかった。ミズーリ州の保守性は、米国最高裁が判決を出して改正を求めるまで、法律によって、異人種間の結婚を禁止し、妊娠中絶を違法とし、人種等によって学校を分離するのを容認していたことに示されている。

 「人権キャンペーン」のシェリル・ジャック代表は、「ミズーリ州憲法は今や、差別のための道具と化した。しかし、歴史は、私たちが正しい側にいて、平等が勝利を収めることを示すだろう」と述べた。

記事のまとめ:伊藤

 

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