米フットボールチーム、フィラデルフィア・イーグルズでレシーバーを務めるテレル・オーウェンズ選手が、8月10日(火曜日)発行の雑誌『プレイボーイ』の記事の中で、ゲイ男性をネズミに例えるような発言をした、と『フィラデルフィア・インクワイアラー』紙が伝えた。(ネズミ:「卑劣」「汚い」「臭い」という悪いイメージがある)
この発言は、サンフランシスコで以前クオーターバックを勤め、現在はクリーブランド・ブラウンズの選手であるジェフ・ガルシアがゲイであるという噂を本人が否定したことに関して、質問者がオーウェンズ選手に対し、彼を信じるか、という質問をされた際に出たものだ。
記事の中で、オーウェンズ選手の発言は次のように引用されている。「みんながよく言うように、もしネズミみたいな見た目だったり、ネズミみたいな臭いのするやつがいたらさぁ、そいつは本当にネズミなんだ」。
その後、記者たちに追求されると、オーウェンズ選手は、GLBTコミュニティーの気を悪くさせることよりも、元チームメイトの気を悪くさせることの方を心配しているように見えた。
「皆は俺の発言を大げさに取り上げるけれど、別にそれは俺がカミングアウトして、ジェフはゲイだと言った訳ではないんだ」とオーウェンズ選手は言い、2人がサンフランシスコ・フォーティーナイナーズで活躍していた期間にガルシア選手が女性と付き合っていたことも加えた。
また、雑誌『プレイボーイ』の記事の中で、オーウェンズ選手は「もしNFLの選手が同性愛者だということを公言したら、あなたはどうしますか」という質問もされていた。
「俺は多分、すぐには何も言わないだろうね」と、オーウェンズ選手は質問に答えている。
「ただ、皆が何を言わないといけないかは分かる。多分、俺は彼との距離を置くし、願わくは彼にもそうして欲しい。もし彼がチームの勝利のために戦ってくれている男なら、俺は(彼がゲイであることに)問題ない。俺の日常生活の外であれば、そいつは何だって好きなことをやればいいんだ」。
オーウェンズ選手の発言はレズビアン/ゲイのコミュニティーを怒らせた。「ペンシルベニア・レズビアン・ゲイ・タクスフォース」代表、リタ・アデッサは謝罪を要求している。
「ゲイ男性を害獣と同一視するとは、ひどいことです」とアデッサは、『ニューヨークタイムズ』紙で語っている。
「我々は、フィラデルフィア・イーグルズとオーウェンズ選手が公に謝罪できるよう、そして、イーグルズがオーウェンズ選手を世間を前に懲罰を課すよう、彼らに促す必要があります。ゲイ男性を下等な生き物と同一視するような発言は、本当に有害であり、ゲイとレズビアンの人々に対しての暴力を正当化するような文化的環境を造り出します」とアデッサは付け加えた。
「全米フットボールリーグ(NFL)は、同性愛嫌悪に対し、より大きな関心を持つべき組織なのです」と、「中傷と闘うゲイ・レズビアン同盟(GLAAD)」のエンターテイメント・メディア・ディレクター、スティーブン・マシアスは言い添える。
マシアスは、NFLが他のマイノリティーに向けられた憎悪発言に対する方針と同様な方針を、GLBTコミュニティに対しても採用すべきだと考えている。「次々と持ち上がってくる個別の問題を越えて、NFLはこの件に関する責任を果たさなければならないのです」。
クリーブランドでは、フィラデルフィアでの話題がニューススタンドを賑わせた後、クリーブランド・ブラウンズも認めるように、ガルシア選手のガールフレンド、カルメラ・デセサーの存在がはっきりと真実を物語っている。
デセサーは2004年の『プレイボーイ』誌の「プレイメイト・オブ・ザ・イヤー」である。
ガルシア選手は「馬鹿らしい」とオーウェンズ選手のコメントについて述べている。
「ここに座って、今日の世界のどこかででっち上げられた、馬鹿らしい、真実ではないコメントに対して答えないといけないだなんて、本当に自分の時間の無駄です」とガルシア選手は言った。
翻訳&記事の解説:石田 京介
(石田 京介:カナダ在住/翻訳スタッフ)
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