オランダは、世界で最も同性愛に寛容な国のひとつとして知られている。しかし、最近の研究によると、そのオランダにおいてさえ同性愛嫌悪が急激に増加しているのである。
オランダでは同性婚が法的に認められており、オランダは同国に訪れるレズビアンやゲイの避難所として有名である。しかし、調査の対象となったレズビアン、ゲイ、バイセクシュアルおよびトランスジェンダー(LGBT)の居住者のうち75%が、かつて有名だったほどにはオランダは寛容ではなくなりつつある、と回答した。
さらに、回答者の20%が、同性愛であるということで攻撃を受けたことがあると答えた。
雑誌「ゲイ・クラント」の調査によると、予想通り、身体的な暴力よりも言葉による暴力のほうが一般的であった。また、驚くことに、伝統的に保守的な意見を持つと考えられている農村地域同様、都市部においても反同性愛感情が見られることが報告されている。
オランダで同性愛嫌悪が増加していることが指摘されたのはこれが初めてではない。
昨年の夏のゲイの人権擁護団体「COC」の報告書は、オランダの若い世代は、ますます性的な多様性に寛容でなくなっていると指摘し、学校は同性愛者に対するいじめの温床になっていると警告を発した。
オランダの当時の学校の監察官との協力に基づき委託されたその調査によると、教師たちは、LGBTの生徒たち同様、反同性愛感情の矢面に立たされていた可能性が高い。
しかし、監察官のケルヴィーゼは、直ちに、反同性愛感情の高まりと、反同性愛攻撃の非難のスケープゴートにされる典型的例である移民との関連に異議を唱えた。
ゲイの人権団体は、今週のこの研究により、オランダ政府が極端な宗教的信条に取り組むことが必要であることが明らかにされたと主張した。
ゲイのアクティビスト、ウォート・マルダーは、この調査結果は、平等への戦いがまだ終わっていないことを如実に示している、と話した。
「それゆえに、ゲイ・プライド(訳注)が必要なのです」と彼はロイター通信に語った。「表面上どのように見えようとも、オランダでは、ゲイはまだ完全に平等ではありません」。(訳注:アムステルダムで毎年開催されるゲイ・パレード。パレードの模様についてはこちらを参照)
アムステルダムで8月5日から7日にかけて開催された年一度のゲイ・プライドの後片付けが始められた時期に、この研究が発表された。
アムステルダムの運河で行われた世界的に有名なこのイベントには、約35万人が参加した。
翻訳&記事の解説:敦
(敦:東京都在住/翻訳ボランティア)
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