米国の高校生の
20人に1人はゲイという調査結果

by ワタル

 「GLSEN:ゲイ/レズビアン/ストレート(異性愛者)教育ネットワーク」の最近の全国調査によると、全米の高校生の約5%がレズビアンまたはゲイであると答えている。

 これはWidmeyer Research and Polling[ウィドミアー世論調査会社]とPenn, Schoen & Berland Associates, Inc.[ペン・スコーエン・バーランド・アソシエーツ=調査会社]の合同調査によるもの。9〜12学年生(日本のほぼ高校生に当たる)の生徒らを対象に、彼らの性的指向や、学校でのレズビアンやゲイに対する周囲の人の態度などについて尋ねた。

 「この結果からわかることは、アメリカの高校の各クラスには、平均して少なくとも1人のレズビアンやゲイの生徒がいるということです。そしてその中の大部分が、先生や同級生、家族などに、ゲイまたはレズビアンの人がいると答えています」とGLSENの代表、ケビン・ジェニングさんは説明している。

 生徒の5%が自分をゲイまたはレズビアンと認識しているという調査結果に加え、16%の生徒はゲイまたはレズビアンの家族がいると答え、72%がゲイまたはレズビアンの人を知っていると答えた。

 4分の3近い生徒がゲイまたはレズビアンの人を知っていると答えたにもかかわらず、66%の生徒がホモフォビック(同性愛嫌悪)な言葉を使ったことがあると認めている。例えば、“That's so gay.”[それってちょーゲイだよね]という言い方を、間違いや悪いこと、バカなことを表すのに使うとのこと。そして81%が、学校でホモフォビックな言葉を頻繁に聞くと答えている。

 「“faggot”(同性愛者の蔑称)という言葉が朝のアナウンスよりも頻繁に聞こえるという学校環境で、生徒たちは過ごしています。そして39.1%のLGBTの生徒が、性的指向を理由に暴力による嫌がらせを受けたことがあると報告されています」とジェニングさん。

 「自分の子どもたちがこれだけ過激でホモフォビックな言葉を、一日中学校で使っているとは、親にとってはとてもショックでしょう」とWidmeyer Research and Pollingのマーティー・マクゴフ代表。

 今回の調査と、GLSENが2003年に行ったレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの生徒を対象にした全国学校環境調査で、ホモフォビックな悪口がLGBTの生徒に非常に悪影響を与えていることがわかった。

 「一番大切なことは、両親や友だち、学校全体で、性的指向や性自認にかか
わらず、すべての人を尊重し、受容するという態度を持つということです」とジェニングさんは話す。

 この調査によると、ゲイやレズビアンの人に対する生徒の態度に一番影響を与えるのは、教師や両親、同級生らの態度であるとのこと。調査の対象となった生徒の79%は、尊敬する教師がホモフォビックな言動を注意すれば聞くと答え、69%の生徒は、ゲイやレズビアンの同級生がいることを知っていれば、もっと寛容になれると答えている。

翻訳&記事の解説:ワタル
(ワタル:東京都在住/翻訳スタッフ)

 

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