若いアメリカ志願兵の半数が、ゲイやレズビアンの人々による入隊の志願や、兵役に就くことが許されるべきだと考えているということが最近の調査で明らかになった。
今回の兵士たちの見解は、同性愛者であることを隠し立てしない人材を禁じてきた軍の「[性的指向を]聞かざる・言わざる」政策(同性愛者の入隊を拒否しない=性的指向を問わないが、カミングアウトもするな、という政策)への支持が著しく下がっていることを表している。1992年に実施された二つの同様な調査では、同性愛者の入隊が許されるべきだとしたのは男性兵士ではたった16パーセントに過ぎなかった。
ペンシルベニア大学の「アネンバーグ全国選挙関連調査」(以下、アネンバーグ調査)によると、同性愛者がカミングアウトして兵役に就くことを認めるべきだとする人は、性的指向と業績には何の関係もないと考えていることがその理由になっていることも分かった。
今回のアネンバーグ調査は「アーバン・インスティテュート」(米国の超党派的政策研究機関)が最新のレポートの中で65,000人の同性愛者がアメリカ兵の中にいると推定したのを受けたものである。
「軍が同性愛を禁止していても、兵士たちはレズビアンやゲイのアメリカ人による貢献を直接見てきています」と「兵士の法的保護のためのネットワーク(SLDN
)」(特にこの問題にかかわってLGの兵士をサポートしている)のシャラ・E・グリア法務・政策担当官は語る。「異性愛者の兵士たちは日々、レズビアンやゲイの同僚と共に働いていますが、彼らはそうすることにますます心地よさを感じているのです」。
先月発表された別の調査では、イラクやアフガニスタンでの軍事活動に従事する数十名のゲイやレズビアンの兵士たちの経験が詳しく書かれている。その中には、イラク戦争で捕虜となったジェシカ・リンチ元上等兵救出で活躍した一人も含まれている。
アネンバーグ調査によると、一般市民では約67パーセントが同性愛者の軍役を認めることを支持している。次期大統領候補のジョン・ケリー上院議員は、当選したら「聞かざる・言わざる」政策を改革すると訴えている。同調査では、約16パーセントが同性愛者の兵士は全体の士気を低めると考え、約12パーセントがチームワークに悪影響だと考えていることも分かった。これら二つの意見は、軍の指導部により同性愛禁止の正当化の為に使われてきている。
「アメリカの人々、特に最近では軍人たちが、『聞かざる・言わざる』政策が我が国に害を与えていることに気が付いています」と、グリアSLDN担当官は語る。「今、議会は、レズビアンやゲイのアメリカ人による貢献を認め、同性愛禁止を今後一切なくすよう働きかけていかなければならないのです」。
翻訳&記事の解説:石田 京介
(石田 京介:カナダ在住/翻訳スタッフ)
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