11月2日(火曜日)の選挙の結果を受けて、数々の同性愛者のグループがブッシュ氏の当選に落胆したが、LGBT(レズビアン/ゲイ/バイセクシャル/トランスジェンダー)のアメリカ人のためにも平等権を勝ち取るためにさらなる戦いを挑む決意を新たにした。
同性愛者のリーダーたちはジョン・ケリー上院議員がジョージ・W・ブッシュ現大統領に負けたことについて憤慨しているだけではなく、11州で同性婚禁止が承認されたことに関しても動揺を隠せないでいる。
LGBTの人々の多くは、第2期ブッシュ政権の下で、裁判官の任命やHIV/AIDS政策がどうなるかの見通しについて困惑している。
「昨晩、私たちは、一歩後退してしまうという結果になりました。11州で、同性カップルを社会から永久に追放してしまうという目的で、私たちの社会の根底をなす州憲法そのものを変えてしまったのです」と、「ACLU(全米市民自由連合)」・レズビアン&ゲイ人権プロジェクトのマット・コールズ氏は述べた。
しかしながら彼は「その結果も全く意味をなしませんでした」と付け加えた。ACLUは、ニューヨーク州、カリフォルニア州、ワシントン州、メリーランド州、ニュージャージー州、フロリダ州等で精力的にLGBT市民の平等権に関する訴訟を起こしている。
ニューヨーク市に拠点を置くHIV感染者/エイズ患者への支援団体「ゲイ・メンズ・ヘルス・クライシス(GMHC:The
Gay Men's Health Crisis)」は、ブッシュ大統領の再選に「非常に落胆している」旨を表明した。
「過去4年間、ブッシュ政権のHIV/AIDS流行に対する反応は悪名高いもので、HIV予防プログラムと研究に対するイデオロギー的な攻撃を行ったり、国内と地球規模の治療とケアのプログラムに必要な資金援助を実質的に無視していたのです」と、GMHCが声明の中で語った。
当然のことながら、ほとんどの民主党員は選挙結果には落胆している。出口調査によると、77%のLGBTの人々はケリー氏に投票したという。政治的に活発な同性愛者の民主党員の多くも自分の休暇を投げ打って、ケリー氏のキャンペーンを支援するために激戦州を飛び回った。
ある情報サイトの訪問者によって行われた非公式投票においては、61%が自分の支持する大統領候補が当選しなかった場合、「悲嘆」や「落胆」すると答えた。
アメリカで有名な保守的なゲイのブロッガー(注:ネット上で日記を公開している人のこと)、アンドリュー・サリバン氏さえも、ジョン・ケリー氏に投票したといい、ケリー氏の敗北は「とても、とても残念なこと」と書いている。それでもなお、日記の読者を励ます形で「あきらめてはいけません。この傷をプライドに変えましょう」と呼びかけている。
「ラムダ・リーガル」は選挙の結果はLGBTコミュニティにとって「後退」であるという意見に同意しているが、「ここ2年で、我々がこれまでに経験したことのないような重要な市民権を同性愛者が勝ち取ったことを思い出して欲しい」と訴えた。
「ここ18ヶ月ほど、我々は岩肌の表面を登り続けていましたが、昨日(選挙日)、少し戻ってしまったわけです。しかし、登り続けていくということには全くかわりありません」と、ラムダ・リーガルの顧問弁護士は述べた。[各団体についてはこちらも参考にして下さい]
翻訳&記事の解説:Nick
(Nick:東京都在住/翻訳スタッフ)
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