英国上院は11月17日(水曜日)、同性市民パートナーシップ法案についての投票を行った結果、賛成数251、反対数136で同法案を支持する結果となった。イングランド、ウェールズと北アイルランド在住の同性カップルは、初めて互いの関係を公式に登録することができるようになり、それが法的に認められることになる。この法案は、すでに下院では11月9日に381対74で可決されていた。
スコットランドは、近い将来にこの法律を採用することになっている。
これは歴史的な一歩でもあり、法的に結婚した英国の異性カップルが享受するものと同じ権利と責任が、レズビアンやゲイカップルに与えられることになる。財産の相続権、病院での面会権、年金の配偶者分の受益権など、かなり広範囲にわたっている。
国会の終了する1日前ということもあって上院議員によって法案の成立が阻止されてしまう恐れがあったにも関わらず、投票では同性パートナーシップが認められるという形になった。
「ストーンウォール」等の人権団体は、同じ日に上院へ再提出された「狩りに関する法案」が先議されることを危惧していた。その法案が審議されると長引くことが予想され、「パートナーシップ法案」の採決ができなくなるかもしれなかったからだ。
保守党の上院議員のあるグループは、広く「妨害作戦」と見られていて、下院ではすでに却下されていた「パートナーシップ法案の改正案」(同性カップルに与えられる権利を減らす、また適用範囲を変える、などの案)を押し通そうとしたが、その試みは失敗した。
「ストーンウォール」のベン・サマースキル氏は11月17日の夕方に声明を発表し次のように述べた。「歴史がまた一歩前進を遂げました。ついに、上院は英国が21世紀型の寛容な国家であることを認めたのです」。
サマースキル氏は、同法案の幅広い政治的支持は英国政治の中で重要な変化を反映している、と述べた。保守党のマイケル・ハワード党首を含む3大政党の全党首が同法案を支持している。
「英国のゲイやレズビアン層に対して攻撃的で冷笑的な態度に終始していた上院議員に対して、上院が断固とした態度をとっていることを大変喜ばしく思います」と、サマースキル氏は続けた。
法案は11月18日、女王の裁可を受けて法律となった。英国史上初の市民パートナーシップの式典(=結婚式)が、来年の秋に予定されている。この実施の遅れは、それまでに、英国全土の登記官組織を対象にした研修が実施され、さらに、税金や給付金を取り扱う財政システムが改定されなければならないからだ。その時には、何千というレズビアン/ゲイのカップルが登録するものと推定されている。
「我々は意気揚々としております」と、サマースキル氏は述べた。「長期的な関係にある同性カップルは、結婚した夫婦と同等の権利と責任を享受することを、きわめて長い間待ち望んでおりましたので」と、続けた。
翻訳&記事の解説:Nick
(Nick:東京都在住/翻訳スタッフ)
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