米国ワイオミング州キャスパーの市会議員、ガイ・パジェットさんは、同市で最初のオープンリーゲイ、そして初めての20代の市長となった。
パジェットさん(27歳)は11月23日、非公式ではあるが、市議会で来年度の市長に選出された。
「来年から私のコミュニティ、そして市議会を代表できることを楽しみにしています」と彼は、仲間の市会議員らに満場一致で選ばれた後、感想を語った。
この非公式の投票が行われる前に、次期市長に立候補する議員はいなかったとのこと。
キャスパーさんは市長として、主に形式的な職に就く。役割としては、議会のスポークスマン、市議会の進行役、そして副市長とともに議会の協議事項を作成することになる。
パジェットさんは、来年1月4日に予定されている2005年の最初の市議会で、新しい市長としての地位を正式にスタートさせる。
パジェットさんは、シェパードさんの殺害事件に非常に影響を受けたと語っている。ふたりは一緒の高校に通っていた。また、パジェットさんがエール大学からキャスパーに戻ってきたときには、シェパードさんは彼のサークルにも入っていた。「私たちはそれほど親しくはありませんでしたが、彼が亡くなったとき、とても他人事には思えませんでしたし、非常に衝撃を受けました」とパジェットさん。
1998年10月、シェパードさんは、通っていた大学のあるワイオミング州ララミー近くの田舎道で、暴行され柵に縛り付けられたところを発見され、数日後に病院で亡くなった。2人の男が現在、殺人罪で服役している。この2人は、ゲイを嫌っていたのでシェパードさんに目をつけたと警察に供述していたが、11月26日に放送された
ABC のニュース番組「20/20」のレポートでは、あれは憎悪犯罪(ヘイトクライム)ではなかったと語っている[注]。
ここ数週間、パジェットさんの性的指向や年齢に関してコミュニティから批判的な意見はなかったものの、彼は今回の市長選が終了し、ホッとしているとのこと。
彼は、「皆さん、とても親切で、私をしっかり支えてくれているので、感謝しています」と話している。
パジェットさんはまた、今まで同性愛者団体にスポークスマンになってほしいと打診されたり、キャスパーの市長になることについて特別利益団体のメディアからの接触があったことはないと付け加えた。
キャスパーの市長として二つの大きな“初めて”を成し遂げたパジェットさんだが、自分のことを先駆的で草分け的な存在とは見ていないようだ。
「私は自分のできる限りのやり方で、自分のコミュニティに奉仕しようとしているだけです」と話している。
[注]26日の放送では、この服役中の2人が、ABC のインタビューに応じ、強盗が主目的で、同性愛嫌悪はなかった、と語った。また、それなのに残虐な殺し方をしたことについては、2人のうちの1人がドラッグにはまっていて、発作的に極めて暴力的になったためだった、としている。これに対し、様々な論議が巻き起こっており、シェパードさんの両親は、自分たちおよび法律顧問の見解が番組にじゅうぶん反映されず、シェパードさんのプライバシーも正確でない内容であばかれた、と抗議している。また、一般的には困難な服役者のインタビューが簡単に行えたことにも、何か裏があるのではないか、という声もある。
翻訳&記事の解説:ワタル
(ワタル:東京都在住/翻訳スタッフ)
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