英国の最新の研究結果によると、同性愛者に対する差別行為と彼らの精神状態には直接的なつながりがあることがわかった。これは、1/3 近くのイギリスのレズビアン、ゲイ、バイセクシュアルの人が、自殺未遂をしたことがあるという調査をもとにしている。
インペリアル・カレッジが、雑誌「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・サイキアトリー[精神医学]」のために、イギリス国内で1285人のLGBを対象に行ったこの調査では、学校でいじめや暴力を受けたことのある人は、精神的な問題を抱えるリスクが高いことがわかった。
調査に参加した人のうち、85%近くが、過去5年間に、言葉による侮辱や物的損害、身体的暴行など、さまざまな形での暴力行為を経験したと回答し、その多くが彼らの性的指向が直接的な理由だとされる。
その結果に相当するようにその大多数が、睡眠障害や不安症、うつ病などの精神障害を抱えていることがわかった。これらの問題はゲイ男性の42%、レズビアンの43%、バイセクシュアルの男女の49%に見られるとのこと。
自虐行為に走る人も多い。調査結果によると、ゲイ男性の42%、レズビアンの43%、バイセクシュアル男性の49%が自殺などの自虐行為を考えたり、試したことがあると回答した。
ロンドン・インペリアル・カレッジのジェームス・ワーナー博士は、今回の結果から、現代社会でLGBの人々がどのような扱いを受けているのか見直す必要があると語った。
「この研究結果から、差別の程度と精神衛生の危険性の増大には因果関係があることがわかります。身体的暴力や言葉による侮辱、学校でのいじめなどの悪質な差別行為は、精神的な問題を抱えるリスクが高くなることにつながると思われます」とワーナー博士。
博士は、同性愛嫌悪によるいじめには何らかの対処が必要である、と話す。ゲイの人権団体、「ストーンウォール」もこの意見に同調する。
「私たちが取り組んでいる一番の問題は、学校にはびこっている同性愛嫌悪の風潮です」とは「ストーンウォール」のスポークスマンの話。
同団体は、来年、学校でのいじめと戦う新たな計画を発表する。イギリス政府も同様のキャンペーンを発表し、同性愛嫌悪によるいじめに悩む学生に、名乗り出て報告をするよう呼びかける予定だ。
加えて、教師らが反同性愛的な暴力に対処できるよう、さらに具体的なガイドラインを作るように学校側にも要求している。
翻訳&記事の解説:ワタル
(ワタル:東京都在住/翻訳スタッフ)
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