スペイン内閣、同性婚法案を承認

 スペインの社会労働党政府は、2004年12月30日、同性婚を認める法案の提出を承認した。毎週行われるサパテロ内閣の閣議で、10月1日に作られた草案(その時のニュースはこちらから)の議会提出が、正式に決定されたもの。

 この法案は、1889年民法の中の14の条項を改正する形で国会に出され、2月から審議が始まる予定。同性カップルは、養子をとる権利や相続権を始めとして、結婚した異性カップルと全く同等の権利が得られるようになる。国会を通過すれば、スペインは、オランダ・ベルギーに続いて、ヨーロッパで同性婚を認める3番目の国となる。

 首相代理のマリア・テレサ・フェルナンデス・デ・ラ・ベガさんは、閣議の後に「結婚する権利はあらゆる人に差別なく与えられるもので、特権として理解されるべきではない。同性愛者の権利を認知することは、不当な差別の根絶につながる」と語った。

 この法律の推進者は、2004年3月の総選挙で同性婚法を含むリベラルな社会変革を公約して以来(選挙はサパテロ氏の社会労働党が圧勝)、現サパテロ首相がにない続けてきた。

 一方、スペインでは大きな影響力を持つカトリック教会は、同性婚に反対し続けてきた。12月26日も抗議行動があり、「同性愛者の性癖は、罪ではないとしても、客観的に見れば問題があり、混乱を起こすと考えなければならない」などと主張された。

 しかし、党内の異論もなく、世論も支持しているので、法案の通過は確実視されている。

記事のまとめ:伊藤

 

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