1月24日から、「いじめ」をなくすための“No
Name-Calling Week(悪口・中傷をなくす週間)”というキャンペーンが、全米の中学校で始まった。[公式サイトは「こちら」から! ぜひ見てください]
このキャンペーンの目的は、全米の学校で問題となっている悪口や中傷について、多くの人に関心をもってもらい、また、生徒や教職員に悪口や中傷がどのようにしたらなくなるか語り合う機会を与えることだという。しかしながら、一部の団体からは、「そのキャンペーンは、同性愛の若者に対して重点をおきすぎているのではないか」といったような懸念の声もある。
このキャンペーンは「GLSEN:ゲイ/レズビアン/ストレート(異性愛者)教育ネットワーク」と「Simon & Schuster社」(出版社)子ども向け部局との共同スポンサーで行われている。
「悪口や中傷はとても乱暴な表現で、そのような言葉は教育現場からなくさなくてはならない」。ゲイ、レスビアン、バイセクシャル、トランスジェンダーの若者や、何か問題を抱える若者に対する差別をなくす目的で活動している団体、「若者を護る全米連合(the
National Youth Advocacy Coalition)」代表のクレイグ・ボウマン氏はこのように語った。
そしてボウマン氏は、「このキャンペーンは、教員やスクールカウンセラーたちにとって、言葉による『いじめ』に対し話し合いを始める絶好の機会となるだろう」と付け加えた。
“No Name-Calling Week(悪口・中傷をなくす週間)”は昨年、「The
Misfits」(2003年5月/タイトルは「周囲に合わない・不適合な人」の意味)という本がもととなって始まった。この本の作者であるジェイソン・ハウ氏は、自分は同性愛者であると公言している児童作家である。「The
Misfits」は、他のクラスメートから嫌がらせを受ける4人の主人公の生徒たちが生徒委員会を運営し、悪口や中傷を学校から排除すべく闘う姿を描く児童書である。その4人の生徒のうちの1人は同性愛者だ。
“No Name-Calling Week”では、背格好、容姿、民族性や宗教的背景、性的指向(それが実際であれ推定であれ)に対する悪口・中傷など、すべての悪意を持った表現が指導される。
「このキャンペーンは同性愛の生徒だけのものではないし、彼/彼女らに対する特別な権利ではないが、学校の生徒たちの間で、“faggot(ホモ)”が最も広く日常的に相手を傷つけるために使われている言葉である、ということは事実だ」。ハウ氏はこのように話した。
「そのような悪口や中傷によって、LGBTの生徒が異性愛の生徒よりも、より危機的状況に追いやられる可能性が高い。なぜなら、LGBTの生徒は自分だけが悪口を言われていると思ってしまう。そして、自分がそのような悪口を受けるたった一人の存在だと思い込み、絶望してしまう事が多々ある。孤立は絶望にたやすく変わる」。とボウマン氏は語り、「そのような結果、LGBTの若者の自殺率やアルコール/薬物乱用率が高くなっているのだ」と付け加えた。
今年は、36州から5,000人以上の教育関係者が“No Name-Calling Week”に参加している。ちなみに、去年の参加者は約4,000人だった。それに加え、「全米教育協会」からガールスカウトまで、全米の40以上の教育機関が“No
Name-Calling Week”を支援している。
翻訳&記事の解説:井出
(井出:神奈川県在住/翻訳スタッフ)
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