イギリスのトニー・ブレア首相は、将来、自国が同性愛者のリーダー(首相)を持つこともじゅうぶんにありえる、と述べた。
首相(労働党)は、雑誌のインタビューに答えて、英国議会には上下院とも「たくさんの」同性愛者の議員がおり、その頂点に立つものが出てもおかしくないし、その場合でも彼または彼女は一般大衆に歓迎されることだろう、と語った。「私は、人々が、単に同性愛者であるからというだけで首相を拒否するとは思えない」。
同じ記事の中で、保守党(野党第1党)のマイケル・ハワード党首は、「地方自治法28節」問題に関して、ほとんど謝罪に近い発言をした。「第28節」とは、1988年にサッチャー政権の下で議会を通過し「同性愛関係を奨励する・広める」ことを禁じたもので、1990年代を通して同性愛者の人権グループが一貫して集中的に問題にし続け、2003年に、やっと廃止された。
ハワード党首は、インタビューの中で10年前地方政府の首長だった頃に比べ、「第28節」のような政策の導入に対し厳しい態度を取っている。「当時は、それが正しかったか間違っていたかは別にして、確かに問題になっていたと思う。しかし今は、こんな問題は存在していない。問題ではないのだから、六法全書に載せる載せないなどという話に付き合っているヒマはない」。
このコメントの背景には、レズビアン/ゲイコミュニティの間に広がっている、保守党の古くさいイメージを変えようという試みがある。「第28節」の導入以降の選挙において、保守党支持だったレズビアン/ゲイの有権者がかなりの数、労働党や自由民主党[英国の]支持に変わっているからだ。保守党は、流れを変えるために、昨年「ゲイ・サミット」なるイベントを行い、若いLGBTの声を聞き、LGBTが直面している問題を討論した。
現在、下院にはカミングアウトした同性愛の議員が12人いるが、その大多数は、労働党である。5月に行われる公算が強いとされている次期総選挙では、保守党や自由民主党も、レズビアン/ゲイの立候補者を積極的に集めようとしている。
記事のまとめ:伊藤
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