ニューヨーク州の「同性婚を執り行った村長」への告訴が
取り下げられる

by ワタル

 米国ニューヨーク州、ニューポルツ村の村長、ジェイソン・ウェスト氏は、同性カップルの結婚を執り行ったことに対する告訴を受けないことになった。

 7月12日(火)にアルスター郡の地方検事は、この裁判は不必要で賛否両論があるとして、ウェスト氏に対する24の軽罪告訴を取り下げた。

 「この裁判が非常に美辞麗句で誇張に溢れているという反面、今回は実行可能な公共目的に欠けている」と、ドナルド・A・ウィリアムス地方検事は村の判事宛てに記した。

 2004年春に、ウェスト村長はサンフランシスコ市のギャビン・ニューサム市長に続いて同性婚を執り行った。

 ウェスト氏は州の家族法に違反したとして告発された。同年6月、村の判事は告訴を却下したが、郡判事は2月に告訴を復活させた。ウェスト氏は上告したが、州控訴裁判所はこの申し立ての意見聴取を退けた。

 「裁判に発展することを望んでいました。そうすれば地方検事が敗訴し、より公然の勝利が強調されたでしょう。地方検事は陪審裁判では明らかに負けると判断して引き下がったのです。こういう結果は予想されていました。彼は政治において臆病者です」とウェスト氏は語る。

 ウェスト氏が最初に執り行った結婚で、パートナーのビリアム・バン・ロステンバーグさんと結婚したジェフ・マクガワンさんは、この告訴が取り扱われた過程には政治的な意図が働いているという意見に声をそろえる。

 「この問題を見てみると、同性婚を行ったことで起訴された市長は他にいないのです。おそらく彼が緑の党の村長だから攻撃されたのだと思います。納税者の税金を報復のために無駄にしたのですから、これは非常に問題です」

 ウィリアム検事は、この訴訟は同性婚の憲法上の権利の問題ではなく、法律を守る公人の義務であると主張する。

 ウェスト氏は、平等の権利を追求することで自分は公職の誓約を守っていると反論する。インタビューで彼は、再び同性カップルを結婚させることを明らかにしている。

 「自分に対して差止め命令が出されていますが、その障害が取り除かれたら喜んで同性カップルを結婚させます」と話している。

 ミラマックス社はウェスト氏が自らの経験を書いた本を出版する。“Dare to Hope: Saving American Democracy”[あえて望もう:アメリカの民主主義を守って]は、一ヶ月以内に書店に並ぶとのこと。

▼このジェイソン・ウェストさんのことに関しては、「同性婚・パートナーシップ法☆トピックス」の「ニューヨーク市/ニューヨーク州」を参考にしてください。

翻訳&記事の解説:ワタル
(ワタル:東京都在住/翻訳スタッフ)

 

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