レズビアン議員が米国サンディエゴ市の暫定市長に by Nick |
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全米で7番目の大都市サンディエゴで、同市市長が辞職し、さらに次期市長も公金着服での有罪判決を受けたため、同性愛者であると公言している同市の女性議員トニー・アトキンズ氏が暫定的な市長となった。アトキンズ氏が市長になったことは、LGBT の政治団体にとって非常に大きな意味を持つ。暫定的なものにせよ、同性愛者の議員がついに大都市の市長の座についたからだ。 7月26日(火曜日)の市議会議員間の投票の結果、アトキンズ議員は市長代理に任命され、市長選での上位2名の得票者間で11月に行われる決選投票の後の12月まで代理を務めることが決定している。サンディエゴは2005年末まで、同性愛者であると公言している市長が管轄するアメリカの最大都市ということになる。 アトキンズ議員が所属する「ナショナル・ストーンウォール・デモクラッツ」“National Stonewall Democrats”(全米民主党員の LGBT 団体)のスポークスマン、ジョン・マーブル氏は、「我々のメンバーも話を聞けば聞くほど、トニー・アトキンズ議員が数ヶ月間サンディエゴの市長になることについて胸が躍っていきます」と語った。さらに、「LGBT がいかにアメリカ人の生活に溶け込んで暮らしているか、ということを世間に知らしめるのに一役買うのではないでしょうか」と続けた。 同性愛の政治団体によると、同性愛者であると公言している市長が管轄する全米で最大の都市は人口174,000人のロードアイランド州プロビデンス市であった。この数字は、サンディエゴの人口120万人と比べたら些細なものである。 「ゲイ・レズビアン・ビクトリー基金(GLVF)」によると、同性愛者の政治家はカリフォルニア州パーム・スプリングズ、ワイオミング州カスパー、マサチューセッツ州ノーサンプトンやフロリダ州キー・ビスケイン等の10都市以上で市長として就任しているという。ワシントン州スポケーン(人口195,000人)の市長は、最近のセックス・スキャンダルでカミングアウトを余儀なくされた。 ディック・マーフィー前サンディエゴ市長が15日、年金基金のスキャンダルの渦中で辞職し、マーフィー氏の後任であったマイケル・ズッチェット市議会議員もストリップクラブによる賄賂に関連した大規模な市当局のスャンダルで有罪判決を受け引責することになったが、その1週間後に市長候補としてアトキンズ議員が浮上した。しかし、その際にはアトキンズ氏の性的指向はメディアにあまり取り上げられることはなかった。 「アメリカ人は、選出議員に対しては、性的指向よりもその政治家による政治の質に関心があるということです」とGLVFのスポークスマン、デーブ・デッチコ氏は述べた。 「アトキンズ議員は多忙を極めていることは分かっているのですが」とマーブル氏は述べた。アトキンズ氏も「自分が(政治的に)最高の仕事をすることが最も大事で、それが求められている」と語っている。「結果的にそれが LGBT コミュニティに資することにもなります」。 アトキンズ議員の「開かれた政府」に対する献身は激賞されている一方、雇用者年金の予算削減や、中心街の図書館新設の件などに関する様々な問題に関連する同議員の決断は、憤慨した市民からの非難の対象となっている。 市長選は、7月26日の予備選挙では、一匹狼でリベラルな民主党女性議員ドナ・フライ氏(自称「サーファー美女」で、アトキンズと手を組まないこともある)が、首位に躍り出たのだが、必要である過半数の票を得ることができず、次回の11月8日の選挙では2番目の得票者で元警察署長である共和党のジェリー・サンダース氏との決戦投票となる。 アトキンズ氏は、もう一人のレズビアンの女性議員クリスティン・キーホー氏の後をついで、民主党議員として2000年から市議会議員を務めている。その後、キーホー議員はカリフォルニア州議会に異動している。アトキンズ氏は、LGBT 人口が非常に多い旧都心近郊の数地区を含んだ旧都心エリアを代表する議員である。 翻訳&記事の解説:Nick
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