米国人気ラッパー、カニエ・ウェスト
同性愛差別をやめるよう訴え

 ヒップホップの旗手でありプロデューサーでもあるカニエ・ウェストは、8月18日に放送された米国MTVの特別番組で、「ヒップホップがゲイに敵対するものになってしまっている。それをやめなければならない」と語った。

 ウェストは、8月30日に発売される彼の最新アルバム「レイト・レジストレーション」に収録された曲「ヘイ・ママ」について語る中で、ヒップホップと同性愛をめぐる議論にふれた。

 彼は子どもの頃、「お母さん子」("mama's boy")と呼ばれたという。「その経験[同性愛者もよくそう呼ばれる]から私は同性愛に対して嫌悪感を持つようになりました。自分がそう呼ばれたことを過去に戻って責めてばかりしているうちに」。

 彼が変わったのは、いとこのひとりがゲイだと知った時だった。「『よぉ、こいつはオレのいとこなんだぜ』と紹介するようになった時が転機でした。私は彼のことが好きで、そして私はずっと同性愛者を差別していました」。

 ウェストによれば、ヒップホップは常に「自分の想いを語り、様々なバリアを壊してきました。しかし、ヒップホップのアーティストはみんな同性愛者に対して差別しています。スラングでは、ゲイという言葉はまさに、ヒップホップに真っ向から敵対している言葉になっています」。

 ウェストはこの自身の特集番組の中で、次のようなメッセージを送った。「ヒップホップだけではなく、アメリカも間違いなく同性愛者を差別しています。私はこの番組に出演したのを機に、仲間のラッパーや、私の友人たちに、『なぁ、やめないか』と言いたい気持ちでいっぱいです」。

 カニエ・ウェストは、1977年シカゴ生まれで、ヒップホップのプロデューサーとして長く活躍しているが、2004年にアーティストとしてもデビューし、ファーストアルバム「カレッジ・ドロップアウト」(本人も美大を中退)を発表した。このアルバムは50万枚を売り、昨年の第47回グラミー賞でベスト・ラップ・アルバムを受賞、人気は今最高潮に達している。今回の「レイト・レジストレーション」は、満を持して発売された、セカンドアルバム。

記事のまとめ:伊藤

 

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