南アフリカ、同性婚を立法化へ |
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12月1日、南アフリカの最高裁判所[憲法裁判所]は、同性カップルに結婚する権利を与えないのは憲法違反である、という判決を下した。 最高裁は議会に対し、12ヶ月以内に婚姻法を改正するように命じた。それまでに議会が改正をなしえない場合、自動的に最高裁主導で法律が改正される。 最大1年待たねばならないものの(もう少し短くなると予想されていた)、南アフリカ国内の LGBT 団体はこの判決を歓迎している。 このまま他国に先を越されなければ、南アフリカは同性婚を合法化した世界で5番目の国となる。 この裁判は、1994年にレズビアンのカップル、マリーとセシリアが「同性同士で結婚できないのは憲法違反である」と提訴したもので、のちにさらに7組のカップルが訴訟に加わった。 昨年(2004年)最高控訴裁判所[最高裁のひとつ下の裁判所]は、結婚の定義を男性と女性の間に限るのは公正ではなく、同性カップルへの差別であり、法改正が必要であると判決した。政府はこの判決を不服として最高裁へ上訴した。 政府の家庭問題担当官は「裁判所が立法を命じるのは三権分立を壊す」などと主張した。しかし、「同性同士のパートナーシップは比較的最近の現象だ」「同性同士のパートナーシップがお互いに支え合う関係になるかどうかわからない」などの発言は失笑を買った。結果は見えていた。 南アフリカの憲法には、LGBT も他の個人と同様の権利を持つとハッキリと述べられており、性的指向に基づく差別も禁止すると明記されている(1994年にできたもので性的指向による差別禁止の明記は世界初)。 今回の判決は、2002年の同性カップルが養子をとることの解禁、2003年の同性カップルへの「ドメスティック・パートナー」としての利益保障(医療的緊急時のパートナーの決定権や相続権はないか不十分)などの止められない流れに沿うものである。
記事のまとめ:伊藤
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