スコットランドの活動家たちは3月第2週に、同性愛者男性に対する献血の禁止に一斉抗議し、「スコットランド国立輸血サービス」に古い姿勢を改めるよう要求する意向だ。
抗議運動は学生によって組織され、エジンバラ、グラスゴー、アバディーン、ダンファームリンやキルマーノックなどの都市で行われる予定だ。制度の変更を呼びかけたこの運動に対する支持は高まってきている。
抗議運動主催者たちは3月9日に、「同性愛者は献血をすることができないから」ということで一般市民に向けて献血を呼びかけた。
スコットランドでは増加する血液の需要に対応するために1日に1000人分の献血が必要だという。
「ゲイとバイセクシャルの男性の献血全面禁止は絶対的に不適切で、HIV/AIDS が『ゲイの病気』であるという『神話』的俗説を永久的なものにしてしまうものです」と、「全国学生連盟」のスコットランド支部
LGBT 代表、スコット・キュスバートソン氏は述べた。
「これはゲイとバイセクシャルの男性は感染リスクが高いと決め付けた理論をもとにしていますが、実際に感染リスクが高くなる要因は、各個人の性的行為の行い方によるものであって、性的指向によるものではありません」と、キュスバートソン氏は続けた。
英国内で献血の他にもいくつかのサービスを行っている「スコットランド国立輸血サービス」によると、献血を禁止するのは「同性愛者の男性は感染リスクが依然として高い集団である」のが理由だということだ。
同サービスは、検査によって分かっている感染とウィルスについての事情により、同性愛者の男性に献血を許可するのはリスクが大きすぎると警告している。
学生ならびに下院議員、ピーター・タッチェル氏(英国での著名なゲイ活動家)などのゲイ活動家たちは、同性愛者男性の献血の禁止は「全同性愛者の男性には複数の性交渉の相手が存在する」ことを暗示しているとして、問題提議している。
さらに、危険な性交渉をしているかもしれない異性愛者を考慮に入れていないことや、それにも関わらずそれらの人々が献血するのが許されている事態を指摘している。
「我々は『スコットランド国立輸血サービス』に同性愛者嫌悪的な同方針を見直し、健康なゲイ・バイセクシャルの男性が献血することのできるよう規則を改正するように呼びかけています」と、キュバートソン氏は述べた。
本年、既に他国でも同様の運動が行われており、同性愛者の献血禁止に対する国際的な認識の変化が明るみにでている。スペインとオーストラリアでは献血禁止が撤廃され、南アフリカでは献血禁止は「差別的である」という判決が高裁から出ている。
翻訳&記事の解説:Nick
(Nick:東京都在住/翻訳スタッフ)
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