カナダ新政権、同性婚法の撤回に向け動き出す by 石田 |
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カナダで新たに誕生した保守党政権は4月5日、同性婚を認める法律を無効にするための法改正に向けて準備中であると発表した。 保守党は同性婚問題に対して議会で採決を行うことを先月の選挙での公約として掲げており、今回の動きはそれに沿ったものだ。 政府が提案する議会開会期間中の基本方針の概要は通常、議会開会の式辞の中に盛り込まれるが、この週に発表された式辞では同性婚法について触れられなかった。この為、LGBT 人権擁護団体の中にはスティーブン・ハーパー首相が法改正への取り組みを中止したのではと考える団体もでてきた。 しかしヴィック・トーズ法相は5日、改正法案は現在も準備中であり、すぐにでも議会での採決が行われるだろうと発言した。 トーズ法相は政党規約を指し、もし同性婚法が覆されることになれば、政府は結婚を異性間のみに限定する第二の法案を提出するだろうと述べた。 ハーパー首相は同日、同性婚問題に関しての質問を受け、改正法案の提出はこの春よりも秋にずれ込む可能性の方が大きいと答えた。
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「結婚の平等を求めるカナダ人」“Canadians for Equal Marriage”はこのトーリー計画と呼ばれる法改正を判断ミスと見なしている。 「カナダの世論がこの同性婚問題での議論の再燃に反対だと、全ての調査結果が示している」と、同組織で取りまとめ役を務めるローリー・アーロン氏は語った。 カナダの調査機関 Environics による最近の二つの世論調査によると、およそ3分の2のカナダ人は同性婚問題に関する議論の再開に反対している。また、カナダの経営者を対象とした調査は、問題の再燃には反対するという強い意見の一致を浮き彫りにした。 保守党の少数与党政府の誕生に繋がった冬の選挙の後、今年1月に発表された Canadian Press 通信社の新たな下院に関する調査結果は、同性婚法を撤回する投票は無効となる可能性が高いことを示した。 しかし結果として投票が無効となっても、同性婚法に反対して名誉の敗北を喫することで、ハーパー首相の極右の支持者たちに対しての責任を果たすことができ、保守党政権にとって完全な損失には繋がらないだろう、と同通信社は伝えた。 同性婚に反対するいくつかの極右の社会集団はここ何週間か、カナダ議会が所在するパーラメント・ヒルでその存在を知らしめようと活動を続けている。それらのグループは同性婚法撤回に向けた取り組みを支援するために、議会の議員たちへのロビー活動を行っている。
翻訳&記事の解説:石田 京介
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