ジャマイカで学生が暴徒化、ゲイの学生を殺そうとする by 石田 |
||
ジャマイカの首都キングストンにある「西インド諸島大学」で4月4日、キャンパス内で同性愛者の男子学生が警察に保護され、護衛を伴い大学を離れる際に集まった学生による暴動が起こった。 追跡にはさらに何十人もの学生が加わり、男子学生は保護を求め大学構内の建物に逃げ込んだ。 暴徒化した学生たちは大学警備に対し、男子学生を警察に引き渡すよう迫ったが、取り囲む学生の数が警備員の数を遥かに上回り、男子学生が殺されることを恐れた大学当局は警察に通報し助けを求めた。 警察の派遣部隊は暴徒化した学生たちに取り囲まれ、男子学生を保護する中で学生との衝突も起こった。 集まった学生たちは物を警官に投げつけるなどし、また男子学生が他の学生に刃物で刺される事態も一時発生したが、報道によればケガは軽症という。 暴徒化した学生たちは、警官の一人が空に向け銃を発砲することでようやく解散し始めた。
■ ■ ■ ■ ■ ■
今年1月には首都キングストンで、若い男性が同性愛者を差別するような汚い言葉を叫ぶ暴徒集団に街中で追いかけられた後に、岸壁から身を投げ死亡する事件が伝えられている。 また今月初めにも、「ジャマイカ・エイズ生涯サポート」“Jamaica
AIDS Support for Life”を運営するレンフォード・“スティーヴ”・ハーヴェイ氏を殺害したとして4人が逮捕されている。この組織は同性愛者やセックスワーカーへの支援を行っており、ハーヴェイ氏は昨年、世界エイズデーである12月1日の夜に射殺された。 ジャマイカのクラブ音楽として知られるレゲエは、同性愛嫌悪を助長していると非難されている。例えば、ジャマイカのレゲエ・シーンを代表するブジュ・バントンのヒット曲 “Boom Boom Bye Bye” には同性愛者を攻撃するような歌詞が含まれる。 今回、大学構内で保護された同性愛者の男子学生は、警察署へ連れて行かれ、他の学生を公衆トイレで誘ったとされる件についてさらに取調べを受けている。もしこの件が裏付けられた場合、男子学生は告訴される可能性もある。
翻訳&記事の解説:石田 京介
|
||