米国ニュージャージー州の下院・上院両議会 by Nick |
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ニュージャージー州の下院・上院の両議会は12月14日、同州州法の下で結婚とほぼ同等の権利を同性カップルに認めるシビル・ユニオン法案を、それぞれ56対19、23対12で可決した。同法案は、ジョン・コーザイン[Jon Corzine]同州知事(民主党)の署名をもって成立するものであり、同知事は署名するつもりであるとしているものの、その時期については明らかにしていない。 同州では既にドメスティック・パートナーシップ制度が2004年に法制化されており、同性カップルでも登録を行えば、病院での面会権、相続権などが認めらるようになっていた。今回、シビル・ユニオン法で認められるのは、養子を引き取る権利、病院での面会権、相続権などである。 LG の活動家らは、シビル・ユニオン制度よりも、同性婚を法制化するよう要求してきたものの、今回の法案は「同性婚に向けた一歩」として歓迎しており、今後も同性婚実現に向けて働きかけていくとしている。 ニュージャージー州の LGBT(レズビアン/ゲイ/バイセクシャル/トランスセクシャル)の権利団体「ニュージャージー州の平等を求めて」[Garden State Equality/ガーデン・ステートは緑の多い同州の愛称]のスティーブン・ゴールドスタイン会長は、「シビルユニオン制度から同性婚に移行するのは、ドメスティック・パートナーシップ制度からシビル・ユニオン制度に移行することよりも簡単です」と述べており、今後2年以内に同州内で同性婚が認められると予測している。さらにニュージャージー州上院議長であるリチャード・コーディ[Richard J. Codey]氏は、「これで決して終わったわけではありません。しかし、(今回の出来事は)非常に重要な一歩です」と語った。 一方、シビル・ユニオン法案の反対者らは、議会が法案を「あっけなく」通過させたことを非難しており、有権者の投票にかけるべきだったとしている。また、共和党のロバート・シンガー上院議員は、法案に「結婚は男性と女性の連帯である」という条項を付け加えたかったことを明らかにしている。 今回の法案が可決された背景には、ニュージャージー州の最高裁判所が10月に、「州は結婚もしくはそれと同等の権利を同性カップルまで拡大しなければならない」という画期的な判決を下したことがある。その際、最高裁は議会が詳細を詰めるために180日間の猶予を与えたのである。 なお、ゴールドスタイン会長によると、今回の法案は対象者を州内居住者に限定していないため、周りの州にも影響を与えることが予想されるという。特に、デラウェア川をはさんで隣接するペンシルバニア州は同性カップルに対して強硬的で、結婚防衛法(結婚を異性間に限定し、他州で同性婚が合法化されても無視できる)に参加している州ではあるが、同州検事当局のスポークマンによると、同法は「シビル・ユニオン制度について何も言及していません」と指摘する。例えば、ペンシルバニア州に居住する同性カップルがニュージャージー州でシビル・ユニオン制度に登録し、ペンシルバニア州に戻った場合の扱いについては、まだはっきりしないのである。 現在、米国ではマサチューセッツ州が唯一同性婚を認可している州であり、バーモント州、コネティカット州、メーン州がシビル・ユニオン法を施行している。また、ニュージャージー州のほか、ハワイ州、バーモント州、カリフォルニア州などもドメスティック・パートナーシップ制度を採用している。
翻訳&記事の解説:Nick
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