前回の7月19日の法廷から1ヶ月半。シェイダさん在留権裁判の第12回口頭弁論が 迫ってきました。
前回の法廷では、法務省側がようやく重い腰を上げて、シェイダさんの難民性に関する証拠資料を6点ほど出してきました。しかし、その内容は、法務省が前に出していたカナダのオタワ移民難民委員会調査部作成の証拠資料が、オーストラリアやイギリスでも、イラン人ゲイ難民の難民性の判断材料の一つとして「使われている」ということを示すだけの、必ずしも新味に欠ける内容のものでした。さらに、その証拠によって「何を」証明しようとしているのかについて説明する書面なども提出されず、これらの証拠によって法務省が「何を言いたいのか」については、今回の法廷に持ち越されています。また、法務省は外務省に対して、イランに関する情報収集を頼んだらしいのですが、外務省からはその返答は来ておらず、そればかりか、裁判に出てくる訟務検事たちは、法務省が外務省に何を頼んだのかもご存じない様子。
<今回の法廷の見どころ>
そんなわけで、シェイダさん側はまたも一回休み。今回は、法務省が今後、シェイダさん裁判にどのような方針で臨んでくるのかをじっくり聞くための法廷となっています。
とはいえ、油断は禁物です。法務省側の証拠は、一つ一つは新味がないのですが、たくさん合わさると、ボディーブローのように効いてきます。「そうか、イギリスもオランダもカナダも、イラン人の同性愛者難民を何人かは認めているが、一方でイラン社会では同性愛者は迫害されていないとも言っているのだな」……こうした認識が、「じゃあ、日本が(そしてその国の裁判官たる自分が)わざわざ火中の栗を拾う必要もないか」というところにつながると大変です。法廷に緊張感がなくなると、えてしてそういった方向に話が進みがちです。
同性愛者たちが、イランの中でどれだけ迫害されているか。どれだけ屈辱的な生を強制されているか。シェイダさんを、そのイランに送り返すことが、彼の精神を、身体をどれだけ痛めつけることにつながるのか。そうしたことを、私たちはずっと法廷で伝えてきました。これからも、リアリティを持ってそのことを裁判官に伝えていかなければならない、と思います。
法務省、そして裁判官に、シェイダさんを支援するという私たちのメッセージ、気迫をとどけましょう。
9月11日。一人でも多くの皆様に、法廷に足を運んでいただくことを呼びかけます。
■□■シェイダさん在留権裁判 第12回口頭弁論■□■
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○日時:2002年9月11日 午後3時〜
○場所:東京地方裁判所6階606号法廷
(営団地下鉄霞ヶ関駅下車徒歩3分)
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■□■第12回口頭弁論報告集会■□■
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○日時:2002年9月11日 3時30分〜
○場所:弁護士会館を予定
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