チームS:シェイダさん救援グループ 2003/07/15 up
 
7月8日シェイダさん裁判(第19回口頭弁論)
〜在留権審査に新たな展開? 結審までの日程決まる〜

 シェイダさんに退去強制令書が発付され、「シェイダさん在留権裁判」が開始されてからほぼ4年を経過しました。この4年の間に、合計19回の口頭弁論が開かれ、シェイダさんの本人尋問や在米イラン人専門家証人であるエグテダーリさんの証人尋問などが行われるなど、数々のドラマティックな展開がありました。ここ数回は、法廷はよく言えば非常に静かな、悪く言えば沈滞した展開を見せています。

 法廷が沈滞しているのは、法務省側が「外務省との協力」に基づいて前に提出したいくつかの証拠資料について、裁判長が法務省側に対して「原資料を出して欲しい」と宿題を出しているのに対して、法務省側が「まだ、外務省と協議中で……」と言を左右にして時間稼ぎをしているからです。

 今回の法廷でも、裁判長から同じことを尋ねられた法務省側の担当者は、「まだ外務省と協議中です」と同じ答弁を繰り返しました。やれやれ、いつまでかかるのか……。しかし、法務省側はこれと関連して、意外なことを言い出しました。

 シェイダさん側は、最近になって、シェイダさんの健康状態の問題や、裁判の異様な長期化があたえるネガティブなインパクトを考慮して、法務省側に対して、「もう 一度、シェイダさんに在留特別許可を与えるかどうか審査して欲しい」というお願い(再審情願)を行いました。実際には、この「再審情願」は単なる「お願い」にすぎず、法務省としては、とりあげようが無視しようが構わないというものです。ところが、法務省側はこれについて、次のような答弁をしたのです。

 「証拠の翻訳が遅れているというのは、一つは、原告側が提出した『再審情願』を現在、審査しているところでありまして、この審査の結果によっては、状況が変わることもありますので……」

 裁判官がこの「再審情願」に関する審査の目処を問いただしたところ、法務省側は「7月中、おそくても8月には、審査の結果が出ると思います」とのことでした。

 この答弁が重要なのは、法務省側が実際、本当は取り上げなくてもよい「再審情願」の請求に基づいてシェイダさんの在留特別許可について再審査をしており、また、在留特別許可を与えるという選択も現実的なものとして検討している、ということを表明したということです。つまり、審査の結果によっては、法務省側がシェイダさんに在留特別許可を認め、シェイダさんが在留資格を得るということがありうるということなのです。

 もちろん、今の段階でぬか喜びするわけには行きませんが、法務省側が再審情願を審査せざるを得ない状況にまで立ち至ったというのは、一つの進歩であるということができます。これにより、この裁判の方向性として、「勝訴」「敗訴」以外に、在留特別許可の交付、という方向がひとつ見えてきました。

 裁判長は、今後の法廷の持ち方として、結審を10月に設定し、それまでに法務省側が証拠提出を行うまでの期間として9月に一回、法廷を入れる、ということを決定しました。次回の裁判は9月9日(火)11時から、結審は10月23日(木)14時からです。結審では、シェイダさんが法廷で最終意見陳述を行います。判決前最後の法廷になりますので、ぜひとも、皆様お越し下さい!!チームSでも、結審に向けて何かキャンペーンを開始しようと思っています。よろしくお願いします!!

 

■□■ シェイダさん在留権裁判第20回口頭弁論 ■□■
 ○日時:2003年9月9日午前11時
 (集合時間:午前10時30分)
 ○場所:東京地方裁判所6階606号法廷
 (営団地下鉄霞ヶ関駅下車徒歩3分)
■□■ 第20回口頭弁論報告集会 ■□■
 ○日時:2003年9月9日11時30分〜
 ○場所:弁護士会館5Fを予定

 

■□■ シェイダさん在留権裁判第21回口頭弁論(結審) ■□■
 ○日時:2003年10月23日午後2時
 (集合時間:午後1時30分)
 ○場所:東京地方裁判所6階606号法廷
 (営団地下鉄霞ヶ関駅下車徒歩3分)
■□■ 第21回口頭弁論(結審)報告集会 ■□■
 ○日時:2003年10月23日午後3時〜
 ○場所:弁護士会館5Fを予定