チームS:シェイダさん救援グループ 2003/11/03 up
 
(1)シェイダさん裁判、ついに締めくくりへ
〜双方とも証拠提出を終了〜

■法務省の「誤訳」を質したシェイダさん側
 シェイダさん在留権裁判は、2000年7月に開始されてから、ついに21回の口頭弁論を迎えました。
 前回、8月の第20回口頭弁論では、法務省側が、「これでもか」とばかりに30点もの証拠資料を提出。その中には、イラン人同性愛者の難民申請を却下した、オーストラリアの最近の判決が7つも含まれていました。また、同様の内容を含むスウェーデンやオランダの事例なども含まれていました。
 これに対して、シェイダさん側はまず各証拠を精査。すると、翻訳に一目見れば分かるような誤りが数多く含まれていることが分かりました。前号のニュースアップデイトでもお伝えしましたが、「Islamic Penal Code」(イスラーム刑法)の「Penal」を「Panel」(審査員)と勘違いして、「審査団規約」と訳すなど、驚くほど初歩的な誤訳が目立ったのです。
 こうしたことから、シェイダさん側は今回、法務省の提出したオーストラリアの判例に対抗して、イラン人同性愛者の難民認定が認められたオーストラリアの二つの判例を提出。また、法務省側の誤訳の事実を指摘し、訂正を求める準備書面を提出しました。

■次の法廷はついに「結審」
 法廷では、主任弁護人の大橋弁護士が、オーストラリアの二つの判例を証拠提出した上、準備書面を提出しながら誤訳の事実を指摘。これを聞いた市村裁判長は、「本件は翻訳の正確さが大切な事件ですから、被告側はよく調べた上、必要に応じて訂正を提出して下さい」とコメント。法務省側は、「わかりました」と応じました。誤訳の問題に関しては、やりとりはこれだけでした。
 裁判長はその後、本件について、両者の証拠提出を今回の法廷で締めくくることを提起。両者ともこれを受け入れ、次回法廷は「結審」ということになりました。
 裁判長は、両者に対して、これまでの主張をまとめる最終準備書面の提出を指示。被告側は、「今少し時間を下さい」と書面執筆のために時間をとることを要請。裁判長は、判決の執筆期間から逆算して、12月中に結審の法廷を開くことを提案しました。結局、次回の法廷は12月18日、午前10時から30分間、ということになりました。
 シェイダさん側は、原告シェイダさんの最終意見陳述を要請。この陳述の通訳に関して、どのような手続でこれを認めるか、少し議論がありました。しかし結局のところ、原告側の申請した通訳を裁判所が承認するという形で、正規の手続を少し緩和して通訳を採用することになりそうです。

■次回12月18日法廷に集まろう!!
 いよいよ、シェイダさん裁判も終盤を迎えます。これまで3年間、法務省側を凌駕して裁判を進めてきましたが、結審・判決に向けて、これまでの力の入った取り組みをなんとしても続けていきたいと思います。
 ぜひとも、12月18日、シェイダさん裁判結審の法廷にお集まり下さい!!

■□■ シェイダさん在留権裁判第22回口頭弁論(結審) ■□■
 ○日時:2003年12月18日午前10時
 (集合時間:午後9時30分)
 ○場所:東京地方裁判所6階606号法廷
 (営団地下鉄霞ヶ関駅下車徒歩3分)
■□■ 第22回口頭弁論(結審)報告集会 ■□■
 ○日時:2003年12月18日午前10時30分
 ○場所:弁護士会館5Fを予定