チームS:シェイダさん救援グループ 2004/09/12 up
 
(1)一筋の光が見えてきた?第2回口頭弁論
〜次回法廷は9月21日〜

 皆さま、こんにちは。
 気がつけばもう8月も終わり、東京でも秋の雰囲気が出てきた今日この頃です。
 さて、シェイダさん在留権裁判第2審の第2回口頭弁論は、熱暑だった今年の夏の真っ盛り、8月3日、東京高等裁判所809号法廷にて開催されました。宣伝不足にも関わらず、多くの人が傍聴に来てくれました。

<UNHCRが法的意見を提出予定>
 第1審の敗北で、もう先がない、と思われていた第2審。しかし、ここ数ヶ月で、いろいろな展開が出てきています。
 シェイダさんについては、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が、難民条約上の難民であるとの見解を示しています。UNHCRは、この裁判に関して、東京弁護士会の求めに応じ、UNHCRとしての法的意見を示すことになっています。
 この法的意見は、第3回口頭弁論までに提出されることになっています。

<イランにおける同性愛者弾圧の証拠を提出>
 この日の法廷に、シェイダさんはいくつかの証拠を提出しました。
 一つは、シェイダさんがウェブ上で発見した、イランにおける同性愛を理由とした処刑事例。イランでは、ここ数ヶ月で、ソドミー法(同性間性行為禁止法)違反を理由の一つとする処刑が複数、行われています。
 もう一つは、イラン国営イスラーム共和国通信が報道した、シェイダさん自身の第1審判決に関する記事。この記事は、シェイダさん在留権裁判の第1審判決を報じた共同通信の記事がもとになったものですが、シェイダさん自身も、イスラーム共和国通信で自分の記事を発見して驚いたようです。イスラーム共和国通信はイラン国家指導省(旧情報省)によって管轄されるれっきとした国営通信で、これで報道されたからには、法務省も、シェイダさんのことがイラン当局に「知られていない」などというわけにはいかなくなりました。
 
<法務省の主張の「唯一の根拠」も改訂されていた>
 もう一つ、法務省が「イランでは同性愛者は迫害されていない」と主張する歳代の根拠となっていた「乙第17号証」(カナダ移民難民委員会調査部が作成した資料)が改訂されていたことも明らかになりました。
 この「乙第17号証」のオリジナルは、「イランでは同性愛者は迫害されていない」とする主張だけが書かれていましたが、改訂版では、イランで同性愛者が迫害されている可能性にも言及し、さらに「同性愛者を死刑とする法律があるだけでも大問題」という指摘もあるなど、より中立的な内容へと変わっています。
 また、2004年に、イラン人同性愛者を難民と認めたニュージーランド難民地位控訴局の判例も新たに見つかりました。
 今後、こうしたものを順次提出していけば、もしかしたら、第2審勝訴の展望も開けてくるかも知れない。一審で手痛い打撃を受けた私たちも、素直にこう思えるようになってきています。

<次回法廷は9月21日>
 次回法廷(第3回口頭弁論)は9月21日、午後3時30分から、同じ東京高等裁判所第809号法廷で開かれます。報告集会もきちんとやろうと思います。多くの皆様、ぜひとも法廷にお集まり下さい。

 

■◇シェイダさん在留権裁判第2審 第3回口頭弁論◇■

 (日時)2004年9月21日(火)午後3時30分開廷(集合:3時)
 (場所)東京高等裁判所(地裁と同じ建物)第809号法廷
    ・東京地下鉄霞ヶ関駅下車徒歩3分(A1出口下車)
(報告集会)
    ・日時:2004年9月21日 法廷終了後
    ・場所:弁護士会館504号室(東京高裁裏)

 
 
(2)翻訳ボランティアのお願い:ニュージーランドの判例
 

 上に述べたように、第2審においてもかなりの進展が見られる今日この頃ですが、一つ重要なのは、「迫害を受けた/迫害を受ける『十分に理由のある恐怖』(well-founded fear)を有する同性愛者は難民条約上の難民だ」ということをきちんと立証することです。
 法務省は、第1審での行きがかり上、「同性愛者は(迫害されようがされまいが)難民条約上の難民ではない」との主張をしています(しなければならなくなっています)。これはきわめて特異な主張で、先進国でこんな主張をしている国はほとんどありません。逆に言えば、ここは法務省の主張の最も弱いところで、ここをきちんと指摘することで、法務省の主張全体が不適切であることを示すことが出来るわけです。そのためには、同性愛者が難民として認定された各国の判例などを具体的に示すことが大切です。
 ここに、一つの判例があります。ニュージーランド難民地位控訴局(Refugee
Status Appeals Authority New Zealand)が2004年7月に下した決定です。この決定では、一人のイラン人ゲイが難民条約上の難民として認められています。この裁判で、これだけ新しい判例を出したことはなく(多くは80〜90年代の判例。2000年以降の判例も数点は出していますが)、翻訳して提出するにはうってつけの判例です。次回の法廷(9月21日)までに訳出・提出をしたいと思っています。
 ここで、この判例の翻訳をお手伝いいただける方を募集いたします。全体でA4版30行×63ページありますので、分担して訳出出来ればと思います。募集容量は以下の通りです。

■◇募集要領◇■

(1)連絡:訳出をしたいという方は、チームS稲場雅紀(pinktri@kt.rim.or.jp)まで、以下の連絡票を使ってご連絡を頂けますか。
(2)分量と分担:文章の分量ですが、A4版30行の用紙で63ページとなります。分量が若干多いのが難点です。当方としては、6名の方を募集し、一人10ページ強を担当していただきます。
 ○募集定員:6名
 ○一人の分担:10ページ強(A4版30行)
(3)連絡を頂きましたら、当方から、英文および翻訳ガイドラインをお送りしますので、翻訳ガイドラインに従って訳出を完成させ、当方にご送付下さい。
(4)翻訳の期限は以下の通りです。
 ○締め切り:9月15日(水)正午
 たくさんの方のご応募をお待ちしています。

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<連絡票>pinktri@kt.rim.or.jp まで
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 ○お名前
 ○ご連絡先メール
 ○ご連絡先携帯・電話等
 ○コメント
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 では、どうぞよろしくお願いいたします。