皆さま、こんにちは。
気がつけばもう8月も終わり、東京でも秋の雰囲気が出てきた今日この頃です。
さて、シェイダさん在留権裁判第2審の第2回口頭弁論は、熱暑だった今年の夏の真っ盛り、8月3日、東京高等裁判所809号法廷にて開催されました。宣伝不足にも関わらず、多くの人が傍聴に来てくれました。
<UNHCRが法的意見を提出予定>
第1審の敗北で、もう先がない、と思われていた第2審。しかし、ここ数ヶ月で、いろいろな展開が出てきています。
シェイダさんについては、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が、難民条約上の難民であるとの見解を示しています。UNHCRは、この裁判に関して、東京弁護士会の求めに応じ、UNHCRとしての法的意見を示すことになっています。
この法的意見は、第3回口頭弁論までに提出されることになっています。
<イランにおける同性愛者弾圧の証拠を提出>
この日の法廷に、シェイダさんはいくつかの証拠を提出しました。
一つは、シェイダさんがウェブ上で発見した、イランにおける同性愛を理由とした処刑事例。イランでは、ここ数ヶ月で、ソドミー法(同性間性行為禁止法)違反を理由の一つとする処刑が複数、行われています。
もう一つは、イラン国営イスラーム共和国通信が報道した、シェイダさん自身の第1審判決に関する記事。この記事は、シェイダさん在留権裁判の第1審判決を報じた共同通信の記事がもとになったものですが、シェイダさん自身も、イスラーム共和国通信で自分の記事を発見して驚いたようです。イスラーム共和国通信はイラン国家指導省(旧情報省)によって管轄されるれっきとした国営通信で、これで報道されたからには、法務省も、シェイダさんのことがイラン当局に「知られていない」などというわけにはいかなくなりました。
<法務省の主張の「唯一の根拠」も改訂されていた>
もう一つ、法務省が「イランでは同性愛者は迫害されていない」と主張する歳代の根拠となっていた「乙第17号証」(カナダ移民難民委員会調査部が作成した資料)が改訂されていたことも明らかになりました。
この「乙第17号証」のオリジナルは、「イランでは同性愛者は迫害されていない」とする主張だけが書かれていましたが、改訂版では、イランで同性愛者が迫害されている可能性にも言及し、さらに「同性愛者を死刑とする法律があるだけでも大問題」という指摘もあるなど、より中立的な内容へと変わっています。
また、2004年に、イラン人同性愛者を難民と認めたニュージーランド難民地位控訴局の判例も新たに見つかりました。
今後、こうしたものを順次提出していけば、もしかしたら、第2審勝訴の展望も開けてくるかも知れない。一審で手痛い打撃を受けた私たちも、素直にこう思えるようになってきています。
<次回法廷は9月21日>
次回法廷(第3回口頭弁論)は9月21日、午後3時30分から、同じ東京高等裁判所第809号法廷で開かれます。報告集会もきちんとやろうと思います。多くの皆様、ぜひとも法廷にお集まり下さい。
■◇シェイダさん在留権裁判第2審 第3回口頭弁論◇■
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(日時)2004年9月21日(火)午後3時30分開廷(集合:3時)
(場所)東京高等裁判所(地裁と同じ建物)第809号法廷
・東京地下鉄霞ヶ関駅下車徒歩3分(A1出口下車)
(報告集会)
・日時:2004年9月21日 法廷終了後
・場所:弁護士会館504号室(東京高裁裏)
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