チームS:シェイダさん救援グループ 2004/11/09 up
 
(1)第4回口頭弁論迫る! 今回が結審の可能性

 秋も深まる今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。
 さて、シェイダさん在留権裁判控訴審も、控訴からほぼ8ヶ月が経ち、ほぼ佳境に入ってきています。
 前回、9月に行われた第3回口頭弁論では、シェイダさん側が、国連難民高等弁務官事務所の法廷意見と「ジェンダー」および「特定の社会的集団」に関するガイドライン、最近ニュージーランドで出された、イラン人同性愛者を難民認定した判決、その他各種証拠資料を提出しました。また、これらを総括した新しい準備書面も提出しました。それに対して法務省側が、反論する必要があるかどうか検討するためと称して1ヶ月半の時間を要求、11月の第4回口頭弁論となったものです。
 裁判所は、今回の法廷で結審することを考えているようです。そうすると、次回は判決ということになります。
 控訴審のこれまでの流れでは、控訴人であるシェイダさん側が攻勢をかけています。この時期になって、新しい、こちら側に有利な証拠資料がたくさん出てきたことが牽引力になっています。
 次回の裁判。法務省はどう出てくるでしょうか。また、この流れの果てに、法務省はどのような判決を出すでしょうか。注目されるところです。皆さま、ぜひとも次回の法廷に足をお運び下さい!!

■◇シェイダさん在留権裁判第2審 第4回口頭弁論◇■

 (日時)2004年11月9日(火)午後3時30分開廷(集合:3時)
 (場所)東京高等裁判所(地裁と同じ建物)第809号法廷
  ・東京地下鉄霞ヶ関駅下車徒歩3分(A1出口下車)
 (報告集会)
  ・日時:2004年11月9日 法廷終了後
  ・場所:弁護士会館を予定

 
 
(2)保守化するイランでは同性愛者の処刑も多発傾向に
 

 イランでは、ホメイニー体制確立以降の「国体」である「ヴェラーヤテ・ファギーフ」(イスラーム法学者による統治)体制の護持をはかる保守派と、同体制の改革をはかる改革派との争闘戦が継続してきました。しかし、前回の国会議員選挙では、保守派の牙城である司法府が改革派の出馬を禁止したり圧力をかける中で保守派が圧勝し、事実上、政治的には保守派の力が大きく伸張する傾向にあります。
 その中で、同性愛者に対する処刑の情報もふたたび頻発するようになってきています。
 スウェーデン人権委員会が本年に発表した、2003年のイランの人権に関する報告書では、2003年5月にイラン北東部の宗教都市マシュハドで、数人が「ソドミー」の有罪を宣告されて絞首刑に処され、また、ちょうど今月にも、イラン国内の新聞が、同じマシュハドで男性2名が「ソドミー」の有罪で死刑を宣告されています。
 このように、ソドミー罪による処刑は近年、再び頻発する傾向にあります。また、ソドミー罪での有罪や処刑ケースについては、海外に伝わらないケースも数多くあるものと思われます。こうした事例から考えれば、シェイダさんがイランに帰国しても迫害されないだろうというのは極めて甘い見通しにすぎません。
 シェイダさん側は、上記のような資料を証拠化して、第4回口頭弁論に提出したいと考えています。裁判官たちには、こうした資料を踏まえて、適切な判決を出して欲しいものです。