皆さま、明けましておめでとうございます。
昨年、屈辱的な第1審判決が出されてから、はや1年が経過しようとしています。当初は、半年くらいで終了するかと予測された第2審も、終了までに約1年を要しました。
第2審は、第1審の闘い方とは趣を変えました。第1審では、シェイダさんもチームSも、その総力を挙げて、国際的なネットワークを活用し、徹底的な証拠の発掘と提出、そして、それらをなるべくわかりやすく、網羅的に説明した膨大な量の準備書面を提出しました。また、法廷についても、なるべく多くの皆さんとともに傍聴に取り組み、最後には数百人分の署名まで提出しました。まさに「総力戦」でした。
第2審は、この第1審の積み上げをもとにしながら、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)をはじめとする、よりレベルの高い、権威を持った機関が支持しているのだ、ということを積極的に立証する方向性で取り組みました。
この戦略転換の根底には、日本の司法に対する、ある失望、絶望が存在しています。もちろん、この失望、絶望は、あらゆる裁判において市民側が体験し表明し尽くしてきたものでもあります。すなわち、司法といえども日本の国家権力の一つであること、すなわち日本の司法は、例えばニュージーランドなどで同様のイラン人ゲイの難民裁判などにおいて示されたような、ゼロの地点から何が正義なのかを検証して判断を行うという地平に立つことはなく、強者の=最終的には判事の任命権の源泉である内閣総理大臣の=顔色をうかがい、弱者=市民社会については、これを一瞥もせず足蹴にして恥じない、単なる<日本の国家権力>の一出先機関に過ぎない、ということです。
この戦略の下で、第2審では第2審なりの多くの成果が上がりました。UNHCRはシェイダさんの裁判に特化した法廷意見を自ら執筆し、法廷に提出しました。また、ジェンダーや特定の社会的集団にかかわる、UNHCRのガイドラインなど多くの文書が、たくさんのボランティアの皆さんの手によって翻訳され、提出されました。シェイダさんは、イラン国内や欧米の亡命イラン人の手によって発行されている様々なメディアをインターネットで検索し、数多くの証拠資料を発掘、提出しました。
一方、法務省側は、これに対する反論や証拠資料の提出などの努力を、ほとんどしていません。
こうしたことから、公平に見れば、第2審においても、シェイダさん側の圧倒的優位は揺るがない、というのが本来の状況です。
しかし、東京高裁は地裁にもまして保守的である、と言われています。残念ながら、私たちは、裁判の進展状況について正当に評価し、私たちの勝利を確信することはできません。逆に、「敗訴」を前提に、その被害を最小にするための様々な準備を行うことが求められています。気を引き締め、どのような判決が出ても対応できるように覚悟を決めていきたいと思います。
第2審判決は1月20日午後3時(2時30分集合)。場所は、東京高等裁判所809号法廷です。関心を持つ皆さまの結集をお待ち申し上げています!!
■◇シェイダさん在留権裁判第2審 判決言渡◇■
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(日時)2005年1月20日(木)午後3時開廷(集合:2時30分)
(場所)東京高等裁判所(地裁と同じ建物)第809号法廷
・東京地下鉄霞ヶ関駅下車徒歩3分(A1出口下車)
(報告集会)
・日時:上記日時法廷終了後
・場所:弁護士会館を予定
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