カリフォルニア州の知事グレイ・デービスは9月19日、異性愛者が婚姻で得られるのとほぼ同等の権利を同性愛カップルに与える、画期的なパートナー法に署名した。
署名はサンフランシスコのLGBT(レズビアン/ゲイ/バイセクシュアル/トランスジェンダー)コミュニティーセンターで行われ、デービス氏は、約400人の拍手喝采の中で、レインボーフラッグを背に、法案にサインした。この式典の参加者は、デービス知事に対するリコールを反対するアビールも行なった。
この調印式でデービス知事は次のように述べた。
「お互いに助け合い、そして、信頼と愛情で結ばれる形こそが家族というものであり、そこに性別は関係ない」
この法律は、バーモント州の「シビル・ユニオン法」とほぼ同等の権利を同性カップルに与えることになり、カリフォルニア州は、同性カップルに法的認知を与えた2番目の州となる。
カリフォルニア州には以前からドメスティックパートナー制度は存在していた。
1999年にドメスティックパートナー制が成立し、2003年現在までに、22000以上の同性カップルや高齢の異性カップルが登録している。
それに対して、このパートナー法では、子どもやパートナーを扶養する義務、パートナーが死亡した際に葬儀を行う権利、遺産相続税や贈与税の免除、家庭裁判所を利用する権利、裁判の際パートナーが法廷でパートナーに不利な証言を拒否できる権利、カップルになった学生が家族と住むために利用できる住居の使用の権利など様々な利点がある一方、パートナーの債務を負う責任があるなど、パートナーの法的な責任は以前よりも重くなる。
このパートナー法の施行は2005年1月1日からで、法施行までかなりの時間を要すが、以前ドメスティックパートナー制に登録し、今回の法律によって生じる新たな権利や責任を受け入れられない場合、登録を解除できるようにとの配慮である。
デービス知事はLGBTの人々を支援している。
9月8日、デービス知事は、HIV/エイズ・自分の性自認や性的指向、または他の諸理由による差別から、養子を擁護する法案にも署名した。また、先月初旬、からトランスジェンダーの人々に対する居住や就職などに関する差別を禁止する案にも署名している。
「公正を求めるカリフォルニア」(Equity California=EQCA/カリフォルニアのGLBT擁護団体http://www.eqca.org/)のリーダーであるジェフリー・コース氏は次のように語った。
「この法律は、アメリカ全土に影響をもたらすだろう。私は、完全に同性婚を認めるべきだと考えているが、カリフォルニア州のこの法律は、他の州がゲイやレズビアンの家族問題に対して、もっと積極的に取り組む原動力になると期待している。またこの法律はカリフォルニア州に住む同性カップルや、彼らの家族を守る大変有意義なものである。しかしながら、連邦法がこうしたことを認めていない現状では、圧倒的多数の州で同性カップルは法的に全くかやの外に置かれており、やはり同性婚を認める事こそが、最良の解決策だ」
※9月14日のニュース「米国カリフォルニア州でゲイのフォスターケア法案に州知事が署名、またパートナー制法案が署名待ち」という記事もご参照ください。
翻訳&記事の解説:タカユキ
(タカユキ:神奈川県在住/翻訳スタッフ)
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