サンフランシスコ市当局は、5日・金曜日までにカリフォルニア州最高裁判所から「訴訟事件摘要書」を提出するよう求められていたが、市はその中で、下級裁判所の審理が終わるまで、最高裁が同性婚に関する法律問題に介入しないよう、申し立てた。(最高裁は、2月27日、同性カップルへの結婚許可書の発行の即時停止命令を出してほしいという州司法長官ビル・ロキヤーらの要求を拒絶し、市には「摘要書」の提出を求めたていた→詳細はこちらから)
これは、最高裁では証人尋問をやらないので、きちんと証人を呼び、下級裁判所でじゅうぶんな審理をすべきだ、というもので、「摘要書」では、「証人に聴けば、同性間の関係を、劣った、二流の地位におとしめることが、ゲイ・レズビアンとその家族たちにいかにひどい烙印を押すことになるかを証明できる」と述べている。
実際、下級裁判所の審理の進行途中で、最高裁が判断や要請をするのは極めてまれなことである。
その他、今回の「摘要書」における主な論点は以下の通りである。
▼市当局→州憲法と連邦憲法が、州法を超えて、平等権と今回の手続きの適法性を保障する。
▼州司法長官ロキヤーと保守派団体「提案22を護り教化する基金」(「提案22」は、州が認める婚姻は異性間のみと解釈される州法)→そもそも州憲法の一節で、州の「行政機関」が州法を自分で憲法違反だと宣言することが禁止されている。
▼市当局→地方自治体が州憲法と連邦憲法に適合するように独立した行動をとることが禁止されては、この国の政治体制の根幹が揺らぐ。
▼州司法長官ロキヤーと保守派団体「提案22を護り教化する基金」→くり返し、「州法で結婚は男性と女性の間と定義されている、それを守るべきである」と主張。スタンフォード大学教授のスカンジナビア研究を提出。その研究によれば、「同性婚または事実上の同性婚が広く容認されているために、結婚制度は実質的に崩壊している」。
市の弁護士デニス・ヘレラによれば、提出した「摘要書」はアメリカ合衆国憲法にまで根拠を求めて展開されている。これは、最終的に、この件が国の最高裁まで行く可能性が大きいと判断してのことだという。
ヘレラは、「州憲法と連邦憲法の、平等を護る条項が、異性愛者だけでなく、全ての人々を護る、という点が、私たちのよってたつ立場であり、かつ極めて強力である、と認識している」と述べた。
州最高裁は、まだ最終判断をしていないが、「摘要書」を読み、口頭弁論の指定、または今回の審理の却下を選択することになる。その結果によっては、大きな波紋を巻き起こすことになろう。州最高裁からの介入がなければ(つまり却下となれば)、今回の件は、サンフランシスコ高等法院で3月29日に聴聞が行われる予定だ。
訳&記事の解説:伊藤
【旧サイト】すこたんソーシャルサービス
HOME
|