3月3日、オレゴン州マルトノーマ郡(中心都市ポートランドを含む行政単位)が同性カップルに結婚許可書の発行を開始した(→詳細はこちらから)。保守派から、緊急停止命令を求める訴えが出されたが、8日、マルトノーマ郡のデール・コッチ判事は、緊急停止命令を出す基準を満たすほど取り返しのつかない被害を被っているという事実はない、として却下し、結婚許可書の発行は続いた(→詳細はこちらから)。
一方、オレゴン州の司法長官ハーディ・マイヤーズは、12日・金曜、非公式に、同性婚の禁止は、たぶんオレゴン州の憲法に違反しており、問題を州最高裁判所に委ねるのが効果的だ、と述べた。しかし、それと矛盾するように、現在の州法上では、マルトノーマ郡が同性カップルに結婚許可書を発行するのは違反となることも確かなので、郡はとりあえず発行を一時停止するべきであることを示唆した。
非公式ながらもこの意見表明は波紋を呼び、3日以来、2200組以上の同性カップルに許可書を発行していたオフィスは、15日・月曜日の朝からそのドアを閉ざし、郡の行政責任者からの公式発表を待った。
午前11時30分すぎ、マルトノーマ郡評議委員会(ダイアーン・リン委員長〜3日の発行開始時に直接指示を出したのもこの人)は、沈黙を破って声明を発表した。「マルトノーマ郡は、オレゴン州最高裁またはオレゴン州市民が別の行動方針を指令しない限りは、オレゴン州憲法にのっとり、結婚許可書をあらゆるカップルに発行し続ける」。
結婚許可書を求めて、明け方から外で待っていたカップルたちは、喝采をあげ抱き合って喜んだ。これで、同性カップルに結婚許可書の発行を行っているのは、全米でオレゴン州マルトノーマ郡だけとなった。
司法長官ハーディ・マイヤーズのスポークスマンは、「州がこの決定をチェックすることになる。私たちのゴールは、できるだけ迅速に、法廷からこの問題に関する最終的な決定を得ることだ」と述べた。
この15日の動きに呼応して、オレゴン州の他の郡、例えばデントン郡やレーン郡も、同性カップルに結婚許可書を発行し始めるのではないか、という推測もある。
オレゴン州の上院議員で民主党の地区リーダーでもあるケイト・ブラウンは、申し立てが州の最高裁へ進むなら、州憲法が同性愛者に対する差別を禁止していると裁定しないはずはないので、同性婚の法制化ができるかもしれない、と語った。彼女は、バイセクシュアルであることをカミングアウトしている。
訳&記事の解説:伊藤
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